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【フィリピン】羽田大使、税制改革審議で対日配慮求める[経済](2018/10/22)

羽田浩二・駐フィリピン日本大使は19日、マニラ市で開かれたフィリピン商工会議所(PCCI)主催の「第44回フィリピン・ビジネス会議」で講演し、フィリピン議会で審議中の包括的税制改革(CTRP)第2弾の法案審議について日系企業の意見に配慮するよう求めた。法案には、多くの日系企業が登録する、フィリピン経済区庁(PEZA)による税制優遇の縮小が盛り込まれているためだ。

日フィリピン経済関係について講演した羽田大使=19日、マニラ市(在フィリピン日本大使館提供)

日フィリピン経済関係について講演した羽田大使=19日、マニラ市(在フィリピン日本大使館提供)

羽田氏は、フィリピンには1,500社以上の日系企業が進出し、うち900社以上がPEZAの登録企業で、多くは製造業やビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)関連企業と指摘。また、対フィリピン投資の利点のひとつが政府による税制優遇だという調査を紹介し「(これから上院で始まる)CTRP第2弾の法案審議では、日系企業がフィリピン側に伝えてきた意見を適切に考慮してほしい」と要望した。

同会議では、18日にソット上院議長が基調講演、19日にはドゥテルテ大統領や議員、地方自治体首長、政府高官、民間企業幹部などが参加。羽田大使は約400人の聴衆を前に講演した。

■インフラ整備、スピーディーに支援

羽田氏は、ドゥテルテ政権が推進する大規模なインフラ整備計画「ビルド・ビルド・ビルド」に関連し、マニラ首都圏の鉄道事業などを念頭に「質が高く、スピーディーな支援を実施していきたい」と、経済協力への積極姿勢を強調。円借款契約を締結済みのマニラ首都圏地下鉄計画(フェーズ1)や、南北通勤鉄道(マニラ市トゥトゥバン―ブラカン州マロロス区間)を年内に着工したい考えを示した。

また、南北通勤鉄道の北側区間(マロロス―パンパンガ州クラーク)、同南線トゥトゥバン―ラグナ州カランバの円借款についての交換公文を11月に交わすことを視野に入れていることに言及した。フィリピン政府は、両案件の事業費を総額3,355億ペソ(約7,040億円)と試算している。

羽田氏はさらに、マニラ首都圏の大動脈であるMRT(高架鉄道)3号線の修繕事業について、数週間以内に円借款契約を締結するとの見通しを示した。外務省は、同案件に対する最大381億100万円の円借款供与を6月にフィリピン政府に事前通報している。

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