【インドネシア】QRコード決済の普及進む[金融](2018/09/25)

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インドネシアで、QRコード(2次元コード)を利用したモバイル決済サービスが増えている。スマートフォン用アプリにあらかじめ入金した電子マネーで飲食品や日用品の代金を支払う仕組み。スマホの急速な普及によって増加する利用者の需要を取り込もうとしている。中国のインターネット通販大手の京東(JD.com)は、ジャカルタ首都圏の主要鉄道駅に、QRコード決済のバーチャル(仮想)店舗を開設。タイ系フィンテック(ITを活用した金融サービス)企業ブルーペイも、駅やアパートなどに自動販売機の設置を積極的に進めている。

JDのバーチャル店舗「JD.IDバーチャル」は、商品のQRコードをスマホのカメラで読み取って購入手続きを進める=ジャカルタ(NNA撮影)

JDのバーチャル店舗「JD.IDバーチャル」は、商品のQRコードをスマホのカメラで読み取って購入手続きを進める=ジャカルタ(NNA撮影)

JDが始めたバーチャル店舗のサービスは「JD.IDバーチャル」。ジャカルタ首都圏のコミューター路線の主要駅9駅で、今月5日から日用品や飲食品の販売を開始した。そのうちの一つ、スディルマン駅は、駅構内に設置された巨大スクリーンがバーチャル店舗だ。

画面に映し出された商品棚に陳列された商品には、個別のQRコードが表示されている。客は、あらかじめインストールしたJDの専用アプリを開き、購入したい商品のQRコードをスマホのカメラで読み取る。

読み取りに成功したら、スマホ画面に該当商品が表示され、購入手続きを進める。購入した商品はその場では受け取れず、アプリに登録した住所に配達される。取り扱っている商品は、粉砂糖や食用油、牛乳、液体洗剤など、種類はそれほど多くないものの重たくてかさばる品物が多い。通勤帰りに買い物をしても、混雑した電車で重たい荷物を持つ必要がないので便利だ。

JDは8月、ジャカルタ北部の商業施設に無人スーパー「JD.ID X―マート」をオープンした。ここでも入店する際に、客が会員登録時に入手したQRコードで個人情報を確認し、支払いも無人レジで商品のQRコードを読み取って決済する。こうしたタイプの無人スーパーはインドネシアで初めて。

■100万人利用の鉄道客に照準

首都圏のコミューター路線を運営するクレタ・コミューター・インドネシアによると、同路線の乗客数は、今年6月に1日当たり平均100万人を超えた。

駅構内に清涼飲料やスナック類の自動販売機「ブルーマート」を設置したのがブルーペイだ。この自販機も、陳列された商品のQRコードを、スマホのカメラで読み込んで決済する。

最初の買い物時に、価格が6,000ルピア(約45円)以下の商品に限り、支払額を100ルピアに大幅値引きするというプロモーションを展開し、ブランド認知度の向上を図っている。

自動販売機「ブルーマート」は、駅構内で飲食できるような清涼飲料やスナック菓子を販売している=ジャカルタ(NNA撮影)

自動販売機「ブルーマート」は、駅構内で飲食できるような清涼飲料やスナック菓子を販売している=ジャカルタ(NNA撮影)

QRコード決済は、利用者のスマホアプリに表示されたQRコードを店舗側が読み込んだり、逆に店舗側の端末や紙に表示されたQRコードを買い物客が読み込んだりして決済する仕組みだ。

インドネシア中央銀行は現在、12社にQRコード決済事業を認可している。企業が相次いでQRコード決済市場に参入しているのは、インドネシア政府がキャッシュレス決済の普及に積極的に取り組んでいることに加え、QRコードは簡単に作成できるため店舗など事業者にとっては初期投資が少なくて済むメリットが背景にある。

しかし課題は、QRコードの市場が世界的に拡大しているのにもかかわらず、QRコードの規格が統一されていないことだ。各社が独自のQRコードを作って規格が分かれたまま普及が進めば、消費者や小売店など事業者の利便性を損ねる可能性がある。中銀は年内にも統一規格を発表するとしている。

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