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【インドネシア】パナと双日のスマートタウン[建設](2018/09/17)

パナソニックグループと双日グループは15日、インドネシア首都郊外の総合都市「デルタマス・シティ(コタ・デルタマス)」で進めている住宅開発「SAVASA(サバサ)」のマーケティングギャラリーとモデルハウスを開設し、第1期の予約受け付けを開始した。環境や安全などに配慮した「スマートタウン」として2030年までに約2,500戸を開発し、1万人規模が住まう持続可能な街づくりを目指す。第1期では4年後までに一戸建て住宅811戸と店舗兼住宅(ルコ)33戸などを建設する。

サバサのモデルハウス開所式。内外装とも一般的なインドネシアの住宅に比べて色彩を抑えたデザインとした=15日、西ジャワ州ブカシ県(NNA撮影)

サバサのモデルハウス開所式。内外装とも一般的なインドネシアの住宅に比べて色彩を抑えたデザインとした=15日、西ジャワ州ブカシ県(NNA撮影)

パナソニックグループと双日グループが昨年11月に立ち上げた合弁会社パナホーム・デルタマス・インドネシア(PHDI)が開発を主導する。太陽光発電や雨水活用システム、通風を考慮した配置計画など省エネに優れた街づくりを行う。監視カメラ(CCTV)や人感センサーなど防犯性にも配慮する。パナソニックは神奈川県藤沢市やマレーシア、米国などで類似の事業を手掛けている。

第1期では開発面積37ヘクタールのうち、13ヘクタールを開発する。住宅は2ベッドルームタイプ(延べ床面積64平方メートル)と3ベッドルームタイプ(同80平方メートル)の2種類。価格はそれぞれ9億7,800万ルピア(約740万円)と12億ルピアから。両タイプとも庭付き2階建てで、家族構成の変化に合わせて裏庭に増築できる設計とした。

想定入居者層は、周辺の日系工業団地で働くインドネシア人管理職など。日系企業の駐在員が住むことも想定しており、既に社宅として購入したいとの打診も受けている。PHDIの社長を兼任するパナソニック・ホームズ・ゴーベル・インドネシアの田中一彦社長は「入居者の約10%は日本人になる見込み」と述べた。

同社が行った事前調査によると、ターゲット層が住宅購入において重視する三大要素は価格と広さ、立地だった。これに防犯性と、快適性や健康面への配慮が続いた。サバサではパナソニックの住宅用モニターシステムや、通気性を考慮した設計、外気から入ってくる汚染物質を取り除くフィルターを通じた換気システムなどでこれに応えた。

モデルハウスを見学にきた県内在住の家族は「立地と機能が魅力的だ」と話した=15日、西ジャワ州ブカシ県(NNA撮影)

モデルハウスを見学にきた県内在住の家族は「立地と機能が魅力的だ」と話した=15日、西ジャワ州ブカシ県(NNA撮影)

来年4月には50戸を完成、販売する。パナソニック独自のW―PC工法(壁式コンクリートパネル工法)を導入することで、中高層建築物に求められる耐震基準を満たしながら、1戸当たり3~4カ月という短工期を実現する。PHDIの元岡隆哉取締役は「インドネシアで一般的なレンガによる住宅に比べて約半分の工期で建設できる」と述べた。コンクリートパネルなど建材は全てインドネシアで調達する。

PHDIの資本金は3,600億ルピア。パナソニック・ホームズの現地合弁会社パナソニック・ホームズ・ゴーベル・インドネシアが51%、双日とインドネシアの不動産大手シナールマス・ランドが出資する不動産会社プラデルタ・レスタリ(PDL)が49%をそれぞれ出資している。

PHDIはサバサを職住近接のスマートタウンと位置づけている。PDLが開発・運営を手掛けるデルタマス・シティは、西ジャワ州ブカシ県チカランにある住宅、商業、工業団地の総合都市。総開発面積は3,200ヘクタールで、日系企業も多く入居している。

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