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【フィリピン】ユーロ2軽油の販売再開、物価上昇の抑制で[資源](2018/08/13)

フィリピンのクシ・エネルギー相は10日、国内の石油会社に対し、欧州連合(EU)の排ガス基準「ユーロ2」に対応したディーゼル燃料の販売再開を求める通達を発布したと明らかにした。同省と環境天然資源省は、2016年1月から各社にユーロ4以上の基準を満たした燃料の販売を義務付けているものの、物価上昇を抑制するため、運輸、産業向けに安価な軽油を供給する。

同省の声明によると、安価なディーゼル燃料を供給することで、生活必需品の価格や運輸コストの上昇を抑える効果を狙う。石油会社には、ユーロ2ディーゼル燃料を販売する給油所のリストを示した報告書を毎月提出することを義務付け、通達の実施状況を監視する。

同相はまた、フィリピン国家石油公社(PNOC)の子会社で、自身が会長を務めるPNOCエクスプロレーション(PNOC―EC)が、安価なディーゼル燃料を輸入する方針も明らかにした。

ただ、業界からはユーロ2ディーゼル燃料の販売再開の効果を疑問視する声が出ている。11日付マニラブレティンによると、業界関係者は「製造業や自動車業界で、ユーロ4への移行は既に完了している。今さらユーロ2の燃料を使う者はいない。(ユーロ4燃料との)価格差もわずかだ」と指摘。また、ジプニー(フィリピン式乗り合いバス)など公共交通車両(PUV)を、ユーロ4対応エンジン搭載の車両に置き換える政府プログラムにも逆行するとの見方を示した。

エネルギー省によれば、ユーロ2ディーゼル燃料の小売価格は、ユーロ4に比べ1リットル当たり0.28~0.30ペソ安価になる見込みという。

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