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【ミャンマー】国際刑事裁に協力せず、ロヒンギャ問題で政府[政治](2018/08/13)

ミャンマー国家顧問省は9日、国際刑事裁判所(ICC)の検察官が西部ラカイン州で発生したイスラム教徒少数民族ロヒンギャの迫害問題の調査に関してミャンマー政府に協力を求めているのに対し、却下する声明を発表した。欧米諸国からは同問題の調査をICCに付託することが解決に向けた一案との声が上がっているが、政府は、これを退ける立場を国外に示した格好だ。

ミャンマーはICCの設立根拠となるローマ規程を批准していないが、ロヒンギャが逃れているバングラデシュはICCに加盟している。ミャンマー政府は声明で「ミャンマーはローマ規程を批准しておらず、ICCはミャンマーに対する調査権限を持たない」と反発。ICCへの協力を拒否する理由を「ミャンマーに対する悪意」「ICCの組織運営上の問題」「透明性の欠如」など5分野に分けて詳述した。

具体的には、ICCによる調査は、国連安全保障理事会が発表した「ラカイン州についての調査はミャンマーの自主権と領土の保全を尊重しつつ、透明性を確保して行うべき」とする見解に反すると指摘。「本来あるべき予備調査を経ずに本調査を始めようとするのは、手続き上の不備がある」としてICCの組織運営を批判した。

声明はさらに、ミャンマーはラカイン州の住民と認定された避難民の帰還に向けてバングラデシュと合意を結んでいるほか、国連開発計画(UNDP)、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)とも同州での人道援助について協力していると説明。先にロヒンギャ問題の調査に当たる独立委員会を設置したとも主張した。

独立委員会は、日本の大島賢三・元国連大使を含む国内外の4人で構成。ただ、同委員会に対してもミャンマー国内では軍系野党が「外国勢の介入」として反発するなど、国際的な関与に対する拒否反応は大きい状態だ。 

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