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【マレーシア】花王、新「ロリエ」で国内シェア2位奪還へ[製造](2018/08/09)

花王マレーシアは8日、マレーシアで生理用品「ロリエ」の新シリーズを発売した。吸水性やドライ感覚の持続といった製品改良に加えて、ターゲットとなる若いマレー系女性向けに、商品パッケージをより感覚に訴えるデザインに刷新。汎用品の位置付けでボリュームゾーンに訴求し、5年ぶりの生理用品の国内シェア2位を目指す。

改良した新パッケージを武器に、シェア拡大を目指す藤原社長(中央)=8日、クアラルンプール(NNA撮影)

改良した新パッケージを武器に、シェア拡大を目指す藤原社長(中央)=8日、クアラルンプール(NNA撮影)

花王がマレーシアで生理用品を発売したのは35年前にさかのぼり、現在シェア15%で国内3位につける。首位は米国の紙製品・日用品大手キンバリー・クラークが展開する「kotex(コテックス)」で、スウェーデン製紙大手SCAの「Libresse(リブレス)」が追う展開。花王は、5年前まではリブレスを押さえてシェア2位だったが、以降は逆転。花王マレーシアの藤原正輝社長は、「18~22歳の若いマレー系女性を意識してパッケージを改良した。ボリュームゾーンに訴求し、シェア2位を奪還する」とした。

新シリーズのパッケージは、調査結果で見えてきたマレー系の女性が好む色味を採用し、製品の機能をアピールするよりも消費者の感覚に訴えかける「よりエモーショナルな見せ方」(藤原社長)を意識した。花王は、都会に住むマレー系女性は流行に敏感で、シンプルなものを好む傾向にあると分析。藤原社長は、「日本では一般的だが、生理用ナプキンをパッケージに大きく描き、機能性を訴える方法ではマレー系の目には止まらない」と説明した。

花王が海外市場で大幅にパッケージデザインを変更するのは、今回が初めて。マレーシアでローカル目線を取り入れたパッケージ戦略が成功した場合、他国・地域のモデルケースとなる可能性もある。

花王マレーシアは、日本製の1ミリの薄さが売りの「スーパースリムガード」、肌ざわりの良さを追求した「ロリエF」を高付加価値商品として展開している。今回発売した新シリーズはインドネシア製で、汎用品としての位置づけ。高付加価値商品とは異なるターゲット層を狙い、シェア拡大を図る。

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