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【マレーシア】首相、汚職対策で紙幣刷新を検討か[金融](2018/06/28)

マレーシアのマハティール首相は、汚職のまん延を防ぐ方策として、紙幣刷新を検討しているもようだ。シンガポールのメディア、チャンネル・ニュースアジアに語った話をスターが27日伝えた。

紙幣刷新は、脱税や紙幣偽造といった不正行為に効果があるとみられている。マハティール首相は、電子決済の浸透の一助になるとの見方も示した。一方、「市中に出回る現金がどの程度かを把握し、適切な量を投入する必要があり、簡単なことではない」とも述べた。

現在、マレーシアでは紙幣として100リンギ(約2,723円)札が最も高額で、次いで、50リンギ、20リンギ、5リンギ、1リンギ札までが流通している。マレーシアの社会経済研究センター(SERC)のエグゼクティブ・ディレクター、リー・ヘンギー氏は現地紙スターに対し、通貨の刷新は法律に従って実施しなくてはならない上、たんす預金などの紙幣、硬貨をどのように回収するかなどの対処も講じなくてはならないと指摘した。

また、リー氏は、「通常、既存通貨の廃止は汚職対策やハイパーインフレの抑止、不正資金の発見などに有効な政策となる」と述べ、実施された場合は消費者レベルでキャッシュレスへの移行が加速するほか、現金依存型の取引が減少するとみている。

■中銀に負担重く

リー氏によると、100リンギと50リンギの高額紙幣は発行紙幣価値の84.6%を占めるといい、仮にこれら2種類を刷新した場合、マレーシア中央銀行には、新紙幣の印刷と発行に莫大な支出が伴うことになるとみている。

マレーシアではかつて、アジア通貨危機の影響を受けて、1999年に500リンギと1,000リンギの紙幣2種類を廃止した。当時の首相はマハティール氏だった。

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