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【香港】1周年の「債券通」、取引利便化へ新措置[金融](2018/07/05)

香港と中国本土間の債券相互取引「債券通(ボンドコネクト)」は、3日で開始から丸1年を迎えた。同日に開催された導入1周年のイベントで、中国人民銀行(中央銀行)の潘功勝・副総裁は、債券通取引の利便性を高めるための7項目の措置を講じると明らかにした。4日付明報などが伝えた。

7措置の一つとして、人民銀傘下の中国外貨取引センター(CFETS)内に開設した債券通の取引システムを今月中旬に稼働させる。8月には、デリバリー・バーサス・ペイメント(DVP)決済方式を全面導入する予定だ。

海外投資家が債券通スキームを通じて債券を買い戻したり、デリバティブ商品を取引したりすることを近く認める。マーケットメーカーを新たに10社増やして34社とするほか、債券通取引手数料を引き下げる。引き下げ幅は最大で50%程度を検討する。国際電子取引プラットフォームとの提携、海外投資家向け税制の整備も進める。

債券通は現在、海外の投資家が本土の債券を売買する「北向き」投資に限定されている。本土から香港への「南向き」について人民銀金融市場局の紀志宏局長は、「既に開通のための基本条件は整ったが、投資家の意見をさらに収集する必要がある」と述べた。

債券通は今年6月末時点で、21カ国・地域の356の海外投資機関が取引に参加。今年1~6月の取引規模は4,200億人民元(約7兆円)。6月の取引は1,309億元となり、前月から2倍に急伸した。6月末時点の本土への純資金流入は590億元で、5月末の1,090億元から減少した。1~5月の債券通による純資金流入は、本土債券市場への外資純流入全体の3分の1を占めた。

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