2019年を振り返ると!

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平成から令和に移ろう2019年でした。筆者には、次の5つの事象が今年の金融市場には大きな影響を与えたのではと思います。

① 米中貿易摩擦
② FRB(米連邦準備制度理事会)が利下げセッションから据え置き方針へ
③ 不景気風が吹き荒れる欧州
④ Brexit(英国の欧州連合からの離脱)
⑤ 金融緩和方針が続く日本銀行
この5つの事象が複雑に絡み合い、そして散発的に市場のテーマとして注目を浴びる金融市場環境であったと筆者は考えます。それぞれの項目について、現状を考察したいと思います。

①米中貿易摩擦

12月中旬に第一段階合意(9項目で構成、知的財産の保護強化、技術移転の強制問題、食品・農産物の輸入拡大、金融市場の開放、為替政策(人民元)などが盛り込まれている。)で米中双方が現在最終調整していて、トランプ大統領は近く合意文書に署名すると言っています。
双方が貿易関税の掛け合い合戦は一旦小休止。関税の順次取り外しも観測されています。市場は楽観視しており、気まぐれなトランプ大統領も来年の大統領選挙を意識して、順調に合意に向けた調整が米中両政府により進められると観測されています。
中国もGDP(国内総生産)が直近第3四半期6.0%前年比と予想より低く、来年も6.0~5.5%予想と低くなる予想であり、背に腹は代えられぬ中国経済の事情もあるようで、譲歩せざるを得ない状況と推測します。

②FRB(米連邦準備制度理事会)が利下げセッションから据え置き方針へ

米経済はグローバル経済に不透明感が漂う中、筆者には好調に映ります。しかしFRBは今年7月から3会合連続の利下げに踏み切りました。
現在政策金利の誘導目標FF金利(フェッド・ファンド・レート)の上限金利1.75%となっています。合計0.75%の利下げです。
そして12月の会合では、米経済は緩やかな成長が続いているとして、2020年は追加利下げがない予測のFRBメンバーが多数派であることから、当面据え置き方針が示されました。
市場金利重視の筆者は、ドル短期金利先物を見ているのですが、来年12月限:1.65%であり、FF金利とそれほど乖離していないことから、市場の金利ディーラーも金利据え置き方針を見越した取引をしているように見えました。
トランプ大統領は欧州、日本の金利体系と同水準にするように圧力を強めています。しかし独立機関としてのFRBは、インフレ目標を盾に強固に圧力には屈しないという姿勢を見せてほしいものです。
米経済が良好に推移するのに、なぜ利下げをしないといけないのかと言うトランプ大統領の主張には筆者は違和感を持ちます。
来年は金利の変化がなく、外部要因に変化がなく、大統領選挙の年でもあり、順調に拡大基調の経済、そして金融市場になるのではと期待しています。

③不景気風が吹き荒れる欧州

欧州、特にユーロ圏経済は、独製造業を中心に経済状況は良くありません。ユーロ圏第3四半期GDP:1.1%前年比と第1四半期1.2%と比較すると下降しており、前期比の数字も0.2%とほぼ横ばいの経済状況。
ECB(欧州中央銀行)は、政策金利0.0%の継続方針をとっています。ドラギ総裁が退任されラガルド女史が新総裁に就きました。
ラガルド女史は前IMF専務理事の要職にあり、世界経済には精通、フランス財務相を経験されています。ユーロ圏各国中銀総裁の意見とりまとめにはうってつけの人物のようです。
ユーロ圏経済が厳しい状況に置かれているので、ドラギ前総裁の金融政策を踏襲されそうです。
最初の記者会見の場で、「必要に応じてあらゆる手段を講じる。」と語り、将来の金融緩和を匂わせていました。少なくともユーロ圏経済は悪化が続いていると解釈をします。
このように考えるとどうしても来年のユーロ圏経済には悲観的になってしまいます。

④Brexit(英国の欧州連合からの離脱)

この事象に関しては、当レポート『Brexitと英国経済、そして英国投資は?』にて、詳しく解説していますから参照ください。現在の状況だけを述べてみます。
英総選挙では予想通りジョンソン首相率いる保守党が議会の過半数の議席を獲得しました。従って来年1月末にBrexitの決定がEU(欧州連合)との間で合意されます。
問題は1年間の移行期間に限定するジョンソン首相の方針が明確に示され、金融市場に不安感が漂ったことです。
1年間で果たして諸々の諸手続きの協議が終了し、順調に移行されるのかに、多くの市場関係者が疑問を呈しました。
このために為替市場ではポンド相場が総選挙時に最高値、その後じり安の展開をなっています。BOE(イングランド銀行)は、Brexit以降、市場にリスクが残るかどうかを監視し、それに応じて措置をとります。
反対に英経済が予想通り上向き、Brexitリスクがないと判断されれば、緩やかな金融引締め政策に移行するとしています。いずれにしても英経済と金融市場はBrexitの影響次第と言えるでしょう。

⑤金融緩和方針が続く日本銀行

失われた30年間の結果のゼロ金利政策と量的緩和政策が続いています。消費者物価指数を見ていても、11月0.5%前年比と一向に上昇していません。
今年は10月に消費税引き上げが実施され、消費者の財布の紐はとても硬くなりました。そして企業も自己防衛のために準備金を増やしています。
大企業はそこそこですが、中小企業は厳しい状況が続きます。非正規社員が増える傾向、人口減、外国人就労機会を増やす対策、そして当レポートでも取り上げる年金不安問題と、経済にとって明るい見通しは立てられません。
こんなことでは、来年も明るい経済が保証されるとは言い難いというのが現状でしょう。

まとめ:これらの点から言えることは

主要国の金利体系では、依然として低金利維持が続いています。
スウェーデン中銀がゼロ金利政策から脱却する動きと出ているのですが、まだまだ主要国では低位の金利維持が大勢です。
米国に期待したいところですが、トランプ大統領の逆鱗に振れそうです。金利が上昇しない世界的な流れは、突発的事象が出ない限り、好景気に向かう可能性が強いと思います。
少なくともここから更に悪くなる可能性は低いのではと思います。

しかし、米中貿易摩擦の落とし所はまだ見えておらず、欧州経済も活況への道筋がなく、中国の景気不透明感が漂います。
東南アジアの経済にも成熟感が出来つつあり、今後の高度成長を期待してよいものかに疑問がつきはじめています。
日経新聞報道では、東南アジア主要5ヵ国の来年の経済成長率予想4.2%、再来年予想4.5%と安定成長期にあるようで、少なくとも中国の経済成長率よりも低い設定です。
やはり米国経済が世界経済のけん引役であることには変化がなさそうです。

少なくとも今年年初よりも楽観的に見てよい来年の世界の経済金融市場のように思います。皆さん良いお年をお迎えください。

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