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【シンガポール】12日から活動制限を一段緩和[社会](2021/07/08)

シンガポール政府は7日、新型コロナウイルスの感染対策として実施している経済・社会活動の制限を、予定通り12日から緩和すると発表した。段階的に制限を緩和する計画の一環で、飲食店で同一グループが店内飲食できる人数などを最大5人に引き上げる。職場での従業員同士の交流も認める。飲食店など感染リスクの高い職場で勤務する従業員に対し導入を進めてきた、定期的な簡易コロナ検査については、15日から本格的に義務化する。

シンガポール政府は、12日に5人以下での店内飲食を解禁する=シンガポール中心部(NNA撮影)

シンガポール政府は、12日に5人以下での店内飲食を解禁する=シンガポール中心部(NNA撮影)

12日から、店内飲食のほか、屋内でのマスクを外してのスポーツ活動の人数制限を、現在の最大2人から同5人に緩和する。結婚披露宴・パーティーの開催も解禁する。

職場内での従業員同士の交流も、5人を上限に認める。政府が職場内での従業員同士の交流を認めるのは5月上旬以来、約2カ月ぶりとなる。在宅勤務を「デフォルト(基本的な働き方)」とする措置は継続する。

活動制限を緩和すると同時に、サービスを提供する側の感染対策は強化する。飲食店、パーソナルケアサービス(フェイシャル、ネイル、スパ、サウナ、マッサージ、美容・理容室、メークなどのサービス)、利用者がマスクを着用しないスポーツジム・フィットネススタジオの従業員に対し、定期的な新型コロナの迅速簡易検査(FET)を義務付ける。

既に一部で導入しているが、15日から全対象企業に適用を開始する。対象企業の従業員は、14日おきに簡易検査キットを使い、自身で検体を採取し、新型コロナの検査を行う必要がある。政府が検査キットを配布し、9月末までは諸費用も負担する。その後については明らかにしていない。

政府は、市中感染の増加を受けて5月上旬に感染対策を強化。その後、状況が改善したことから、6月14日に最大5人でのグループ行動を認め、同月21日には単独または2人組での店内飲食も解禁していた。

■ワクチン接種5割で追加緩和

オン・イェクン保健相は7日の会見で、「今夜(7日夜)には、新型コロナのワクチン接種を少なくとも1回受けた人の数が、人口の3分の2に達する」と明らかにした。

当初の見通しよりも早いペースで接種が進んでおり、7月最終週には人口の5割が2回目の接種を完了するという。現時点では、人口の39%が2回目の接種を終えた。

感染対策の閣僚級作業部会は、ワクチン接種を完了した人が人口の半数に達する7月末にも、さらなる制限緩和に踏み切る方針だ。具体的には、グループ行動の人数制限を8人に拡大するほか、ワクチン接種が完了した人のみが参加する場合に限り、イベントの人数制限を現在の2倍に引き上げることを検討している。

店内飲食については、同一グループの全員がワクチン接種を完了している場合は最大8人、完了していない場合は同5人とする考え。在宅勤務を基本的な働き方とする措置は継続するが、社内のワクチン接種完了者の割合によっては、職場への出勤も認めていく意向だ。

オン保健相は「ワクチンの接種を受け、集団免疫ができてきたら、今度は市民に経済を回すことを呼び掛けていきたい。店内飲食などの制限緩和もこうしたもくろみの上にある」と説明した。

現在70代以上を除く全ての世代で、ワクチン接種の予約率(接種済みの人を含む)が8割前後に達しており、数週間のうちに国全体の接種率も同水準に落ち着くとの見通しも提示。ただ最も重症化リスクの高い高齢者の予約率が相対的に低いため、改めて接種を呼び掛けた。

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