【インド】2200億円でノンバンク買収[金融](2021/07/07)
三井住友フィナンシャルグループ(FG)は6日、インドの大手ノンバンクの株式74.9%を20億米ドル(約2,213億円)で取得し、子会社化すると発表した。アジアの新興国で事業を拡大させる戦略の一環で、買収を通じて個人や中小企業向け融資に力を入れる。同グループがインドで金融機関の過半数株式を取得する大型買収を実施するのは初めて。
シンガポールの政府系投資会社テマセクの子会社から、フラトン・インディア・クレジット・カンパニーの株式を取得する。インド政府の許認可を得る必要があり、年内の取引完了を目指す。一定期間をおいて残り25.1%の株式も譲り受け、最終的に100%子会社とする。
インド西部ムンバイに拠点を置くフラトン・インディアは1994年に設立。国内全域に650カ所以上の拠点を展開し、主に中小企業や中間所得層に無担保ローンや不動産担保ローンを提供している。売上高に当たる2021年3月期の業務粗利益は前期比12%減の476億円、純損益は182億円の赤字だった(前期は114億円の黒字)。
買収の狙いは個人向け事業の強化だ。インドは13億超の人々が暮らす人口大国。三井住友FGでは、傘下の三井住友銀行が2013年3月にニューデリー支店、17年3月にムンバイ出張所、20年11月にチェンナイ出張所を設置し、法人営業を主体に融資先を増やしてきた。「インドでのさらなる成長を目指す上では個人向けサービスの強化が必要」(三井住友FGの広報担当者)と考え、外資による100%出資が可能なノンバンクの取得に動いた。
三井住友FGは、成長が見込めるアジア新興国への展開を加速させている。今年に入ってからは、ベトナムの消費者金融大手FEクレジットや、フィリピンの大手銀行であるリサール商業銀行への出資を決めている。