【シンガポール】プリマハム、現地同業買収へ[食品](2021/06/29)
ハム大手のプリマハム(東京都品川区)は、シンガポールの同業ルディーズ・ファイン・フードを買収する。取引が完了すれば、プリマハムにとって海外3カ国目の拠点となる。海外事業を拡大する上で重要市場と定める東南アジアで、戦略拠点として機能させる考えだ。
プライベートエクイティファンドや創業者など既存株主から、ルディーズの全株式を取得することで合意した。取得額は非公表。取引は所定の条件を満たすことが前提で、株式の取得時期は未定という。
ルディーズは、欧州風のソーセージやハムなど食肉の加工・販売を手掛ける。シンガポールの市場ではトップシェアを持ち、ブランドを確立しているという。2020年6月期の売上高は1,430万Sドル(約11億8,000万円)だった。
プリマハムは、海外ではタイと中国に工場を持ち、中国には製造・販売会社も置く。シンガポールに事務所など拠点はなく、ルディーズの取得をもって進出を果たす。
株式取得後も、ルディーズ製品の製造・販売は継続する。日本やタイ工場で生産したプリマハム製品のルディーズの販売網を通じた拡販、両社での原材料の共同調達なども予定している。プリマハムの生産ノウハウを生かし、生産性の改善にも努める。
プリマハムの広報担当者はNNAに対し、「シンガポール市場を単体でみても、世帯所得が高く消費額も大きいため、収益性が見込める。株式取得後は、当面はルディーズのオペレーションの理解に努め、その後当社からの人員派遣なども検討する」と説明。シンガポールを拠点に、周辺諸国も開拓していきたいと付け加えた。