【中国】市内2カ所が高リスク地域に、広州[社会](2021/06/03)
新型コロナウイルス感染症が広がりを見せる広東省広州市で、同感染症の地域リスク分類の「中リスク」地域に指定されていたエリア2カ所が2日から「高リスク」地域に引き上げられた。2カ所はともに感染者が集中している茘湾区。
広東省衛生健康委員会によると、高リスク地域となったのは茘湾区の白鶴洞街と中南街。両エリアとも5月29日から中リスク地域に指定されていた。2日午前7時半時点で、中国国内の高リスク地域はこの2カ所のみ。
2日からは番禺区洛浦街錦綉半島社区(社区は地域コミュニティー)の16~18棟と海珠区瑞宝街南洲名苑棠閣のA~C棟が新たに中リスク地域に指定された。5月22日に茘湾区の一部エリアが中リスク地域に指定されて以降、同区以外のエリアが中リスク地域に指定されるのは初めて。
2日午前7時半時点で、市内で中リスク地域に指定されているのは番禺区と海珠区の両エリアのほか、茘湾区の竜津街道錦竜匯キン閣(キン=森の形に金が3つ並ぶ)、東コウ街(コウ=さんずいに教)、冲口街の合わせて5カ所。高・中リスク地域は計7カ所となった。
■封鎖エリアは38カ所
広州市当局は1日、指定されたエリアの人の出入りを制限する「封鎖式管理」を市内38カ所で実施していると明らかにした。封鎖対象はエリア全体を封鎖する「全域」、感染者の自宅を含む住宅地を封鎖する「住宅」、感染者が通勤・通学する会社や学校を封鎖する「会社・学校」の3種類があり、内訳は全域が1カ所、住宅が18カ所、会社・学校が19カ所。
全域に指定されたのは、高リスク地域の茘湾区中南街で、8,300人が住む7平方キロメートルのエリア全体が封鎖されている。住宅18カ所の内訳は、茘湾区が15カ所、海珠区が2カ所、番禺区が1カ所。
封鎖式管理の実施エリアでは、全住民に対して14日間に4~5回のPCR検査を行い、14日が経過した時点で新規感染者が確認されなければ、封鎖式管理の指定を解除する。
■感染者7人増
広州市衛生健康委員会は2日、新型コロナウイルスの国内感染者が1日に新たに7人確認されたと発表した。国内感染の無症状感染者(感染者の統計には含まず)は5人。
新規感染者は24~84歳の男女で、茘湾区が5人、海珠区と番禺区が各1人。無症状感染は7~58歳の男女で、いずれも茘湾区の住民。
広州市で約1年ぶりの国内感染者が確認された5月21日から6月2日午前0時までに市内で確認された国内感染者は計43人、国内感染の無症状感染者は計11人(無症状感染から感染に移行した事例は含めず)となった。
■仏山は3人感染
広東省仏山市当局は2日、新型コロナウイルスの国内感染者が1日に新たに3人確認されたと発表した。3人は南海区の中リスク地域に住む31歳男性、31歳女性、46歳女性で、いずれも当初は無症状感染と診断されていた。
2日午前7時半時点で、仏山市の中リスク地域は南海区桂城街道華福御水岸小区(小区は集合住宅)と禅城区石湾鎮街道緑茵鳴苑小区の2カ所。広東省の高・中リスク地域は同時点で計9カ所となった。
市当局は1日、同日発表した市外への移動制限について、移動範囲が省内に限られる場合は原則としてPCR検査の陰性証明の提示を必要としないとの見解を示した。移動制限は2日正午から実施した。
1日に発表した移動制限の内容は、◇市内の空港、鉄道駅、バスターミナルなどを利用して市外に向かう際は、出発前72時間以内に発行されたPCR検査の陰性証明の提示と、安全レベルが「緑色」のヘルスコードの提示が必要◇自家用車で市外に向かう場合も陰性証明の提示が必要――というものだった。
市当局によると、市外へ向かう場合でも省内での移動にとどまれば、原則として陰性証明の提示は必要ない。例えば、◇仏山市と周辺都市を結ぶ地下鉄や路線バスなどに乗車する場合◇周辺都市へ向かうタクシーやオンライン配車サービスを利用する場合◇省内の都市間を自家用車や物流車両で移動する場合――は、陰性証明の提示が不要。
■深セン空港が検査強化
広東省深セン市衛生健康委員会によると、深セン宝安国際空港(深セン空港)では2日から、広州と仏山の身分証を持つ旅客(乗り継ぎ客は含まず)を対象に、出発前72時間以内に発行されたPCR検査の陰性証明と、安全レベル「緑色」のヘルスコードの提示が必要になった。
同委員会は、1日に新型コロナウイルスの国内感染の無症状感染者が新たに2人確認されたと発表した。27歳男性と42歳女性で、いずれも塩田区の住民。