【香港】広東からの「回港易」継続、感染者で混乱も[社会](2021/05/24)
香港政府は22日、中国本土から入境する香港身分証(IDカード)保有者に一定条件下で強制検疫(隔離)を免除する「回港易(リターン2hk)」スキームについて、新型コロナウイルスの感染者が確認された広東省にも引き続き適用すると発表した。いったんは同省への適用停止を表明していたが、撤回した。
広東省では広州市茘湾区竜津街道の集合住宅「錦竜匯シン閣(シン=金が3つ)」に住む女性(75)が、新型コロナに感染していることが21日に確認された。23日付明報などのまとめによると、香港政府はこれを受けて22日午後、広東省全域を回港易が適用されない「中リスク地区」に指定すると発表。過去2週間内に広東省での滞在歴がある人は、香港入境後に14日間の隔離を受けなければならないとしていた。
ところがその後、前行政長官の梁振英氏が同日夜にフェイスブック上で、広州市で1件の感染が見つかっただけで全省を回港易の適用外とすることは「理解できない」と批判。政府はそれからしばらくして当初の発表を撤回し、中リスク地区への指定は感染者が出た住宅の錦竜匯シン閣に限定すると改めた。
回港易を利用できない中リスク地区または高リスク地区には23日現在、遼寧省と安徽省の全域も措定されている。ただ、両省とも直近で感染者が出たのは一部の市、地区に限られていることから、香港政府の基準が明確でないとの見方もある。