【カンボジア】「渡航止めて」、日本大使館が呼び掛け[社会](2021/05/20)
日本の外務省が18日、カンボジアの感染症危険情報をレベル3(渡航中止勧告)に引き上げたことを受け、在カンボジア日本大使館は同日、「今後カンボジアへの短期渡航を検討されている方は、渡航を止めてほしい」「短期滞在中の方には、帰国を推奨する」と呼び掛けた。
大使館は、カンボジアの新規感染者数は減少傾向にあるものの、今後の状況は予断を許さないと説明。医療体制が逼迫(ひっぱく)し、必要な治療が受けられない可能性も排除できないとしている。
カンボジアでは2月下旬に首都プノンペンでクラスター(感染者集団)が発生し、新規感染が拡大。感染者数は2月上旬の500人以下から、5月18日に2万2,889人まで急増した。プノンペンでは4月中旬から5月上旬までロックダウン(都市封鎖)が導入され、厳格な外出制限などが敷かれた。
大使館によると、国内の医療体制も逼迫し、結婚式場などを急きょ改装した隔離施設の収容者が4月末に3,000人を超え、収容先が見つからない陽性者も1,600人を超えたという。
こうした状況下で大使館は、「カンボジア国内で感染した場合、プライバシーがまったくない隔離施設に長期間収容されたり、クーラーや網戸が備え付けられていない病院に収容されたりすることが多く、日本人にとっては厳しい環境に置かれることになる」と指摘。「多くの施設で、日本語はおろか英語による意思疎通も困難」と説明した。
さらに、「新型コロナに感染し、当初搬送された治療施設から別の治療施設への転院を希望した場合、その都度、大使館からカンボジア保健省に対して依頼を行い、保健省の了承を取り付ける必要がある」と指摘。「その手続きには多くの時間を要し、それらの依頼が必ず受け入れられるとは限らない」として、注意を呼び掛けた。