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【香港】ワクチン接種の義務化は撤回、外国人家政婦[社会](2021/05/12)

香港政府の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は11日、外国人家政婦に新型コロナウイルスのワクチン接種を義務付けるとしていた政府方針を撤回すると発表した。同政策に対しては、家政婦の主な出身地の一つであるフィリピンの政府などが「差別的だ」と反発していた。

林鄭氏は、今回の決定に先立ち、労働・福祉局の羅致光局長がインドネシア、フィリピンの総領事と面会し、ワクチン接種の義務化に対する意見を求めたことを明らかにした。林鄭氏は「各国の状況や当事者らの反応、社会の意見、法律の問題などを考慮」して撤回を決めたと説明した。

一方で林鄭氏は、全ての外国人家政婦に対し、30日までにPCR検査を再度受けるよう義務付ける方針を併せて発表した。感染力が強くワクチンの効果を下げるといわれる変異株の域内感染を予防する目的。外国人家政婦らには先月末にもPCR検査が義務付けられ、今月9日までにほとんどの家政婦が従ったばかりだった。

香港には現在、37万~38万人の外国人家政婦がいる。政府がワクチン接種の義務化や全員へのPCR検査実施へ動いたのは、先月にフィリピン人家政婦が変異株に感染する事例が相次いだため。外国人家政婦には休日に仲間同士で公園などに集まって過ごす習慣があるとして、勤務先の家庭だけでなく他の家庭にも感染が拡大することを警戒している。

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