【台湾】EU、TSMCなどの誘致に1.3兆円拠出か[IT](2021/04/29)
欧州連合(EU)がファウンドリー(半導体の受託製造)世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)を含む世界3大半導体メーカーに対し、欧州での工場建設を促すもようだ。3社の誘致に向けて、計100億ユーロ(約1兆3,100億円)の補助金を出すとみられている。中央通信社が伝えた。
EUの関係者によると、TSMC、米インテル、韓国サムスンの3大メーカーに欧州での工場建設を働き掛ける予定。インテルとTSMCについては、EU欧州委員会のティエリー・ブルトン委員が30日に2社の代表者と会談する見通し。
TSMCは欧州での工場設置やブルトン委員との会談について、「コメントを差し控える」とした。
ただ、台湾の識者からは、TSMCの欧州での工場建設に懐疑的な見方が出ている。
台湾民間シンクタンクの台湾経済研究院(台経院)の劉佩真研究員は、「TSMCが欧州に投資をする場合、工場を建設するのではなく、車載半導体の研究開発(R&D)センターを設立する可能性が高い」と述べた。
台湾政府系研究機関の産業科技国際策略発展所(産科国際所)の楊瑞臨・研究総監はTSMCの出荷先に占める欧州企業の比率は6%と指摘。顧客となる企業が少ないことなどから、欧州での工場建設に疑問を呈した。