【ベトナム】上水問題解決に毎年10億ドル必要=世銀[経済](2021/04/27)
世界銀行によると、ベトナムの上水供給問題の解決のためには、2020年以降少なくとも毎年10億米ドル(約1,080億円)の投資が必要のようだ。すでに05年から上水供給事業への民間投資が奨励されているものの、近年は以前の活発さが見られないため遅延しているという。23日付トイバオキンテー電子版が報じた。
世銀によると、11~15年の上水分野への社会投資総額は42兆1,210億ドン(18億3,000万米ドル)だったが、16~20年には19兆7,000億ドンと半分以下に落ち込んだ。現状をみると、全国の人口の約60%はまだ上水を利用できていない。都市部でも14%が水道を使っていない。
上水供給分野への民間投資をテーマとしたセミナーで、ベトナム給排水協会のグエン・ゴック・ディエップ会長は、最大の困難は魅力に欠ける誘致政策や制度だと断じた。投資コストに見合わない上水料金の設定や、複雑な手続きが障害になっているという。
投資・コンサルティング会社ハルコム・ベトナムのオリー・ケスキ・サーリ副社長は、この5年で国内の上水市場は2,000万米ドル(約21億6,000万円)に拡大したが、投下資金の70%を回収するのに20~40年かかると指摘し、「民間投資を誘致したければ、企業に合理的な利益を保証する明確な政策が必要だ」と強調した。