【台湾】鴻海の米国投資、減税枠が27.7億米ドル縮小[IT](2021/04/22)
米国のウィスコンシン州経済開発公社(WEDC)は米国時間20日、同州への投資を進めるEMS(電子機器の受託製造サービス)世界最大手、鴻海精密工業に対する減税上限を8,000万米ドル(約86億円)に引き下げたと発表した。従来の28億5,000万米ドルから大幅な減額となった。鴻海の投資規模の縮小が一因。
WEDCは鴻海の同州での投資促進を目的として、2017年に同社と減税に関する最初の契約を結んだ。鴻海が投資額や雇用数の条件を満たした場合、WEDCが15年間で計28億5,000万米ドルの減税を実施する内容だった。
ただWEDCと鴻海は今回の契約更新で、減税額を向こう6年で最大8,000万米ドルにすることで合意に達した。減税条件には、「鴻海が26年までに6億7,200万米ドルの投資を行うこと」「鴻海が平均賃金5万3,875米ドル以上で、1,454人を雇用すること」が盛り込まれた。
減税額引き下げの背景には、鴻海が投資縮小に動いていることがある。ウィスコンシン州のトニー・エバース知事によると、鴻海は契約更新に当たって、同州の納税者の負担を減らし、市場の需要を満たせるよう、同州での事業に柔軟性を持たせることを望んだという。
鉅亨網によると、鴻海は契約更新後の声明で、「現在の市場の変動は17年の時に予想し得なかったこと」との認識を示した。米中貿易摩擦など世界情勢の変化に直面し、投資規模の縮小を迫られたもようだ。