【香港】子どもが感染広げる可能性、中文大が指摘[社会](2021/04/08)
香港中文大学医学部の研究チームは6日、新型コロナウイルスに感染した子どもの多くが無症状で、気づかないまま感染を広げる可能性があると指摘した。
研究チームによると、3月25日時点の香港の累計感染者1万1,429人(感染疑い例の1人を含む)のうち、8%は17歳以下だった。このうち3歳以下は22%(201人)で、うち4割超が無症状だった。
また、3月25日までに実施された大便1万7,500検体の検査のうち、陽性だった22人(うち20人は6歳以下)の7割以上に症状は見られなかった。
チームによると、ある子どもの大便サンプルには36日間にわたりウイルスが確認されたという。このほか、米国の研究で、感染した子どものウイルス量は集中治療室(ICU)での治療が必要な大人を大きく上回ったことが報告されている。ウイルス量が多いことは感染力が高いことを意味する。
中文大医学部腸内微生物群研究センターの副所長を務める黄秀娟教授は、子どもが隠れた感染源になる可能性は高く、地域の感染拡大の一因となるリスクがあると指摘した。研究チームは、香港の学校でイースター連休明けに対面授業が徐々に再開することを踏まえ、子どもを対象にした検便を実施するよう提言している。