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【ベトナム】H&Mの不買呼び掛けも、中国の地図巡り[商業](2021/04/06)

スウェーデンの衣料品大手H&Mに対し、ベトナムの会員制交流サイト(SNS)で一部のユーザーが不買運動を呼び掛ける事態に発展している。H&Mが公式サイトに掲載した中国の地図を巡り、中国当局の変更要請に応じたことが「中国寄り」と受け止められ、一部消費者の反発を招いたようだ。サウスチャイナ・モーニングポスト(電子版)などが3日伝えた。

同紙によると、中国の上海当局は2日、H&Mがホームページ上で公開した中国の地図が違法だとして、同社を指導したと発表した。何が違法だったのかの詳細ははっきりしないが、中国版ツイッター「微博(ウエイボー)」では、H&Mが掲載した地図について、中国が主張する境界線「九段線」の扱いに問題があったと取り沙汰されている。

H&Mは当局の修正要請に応じたが、ベトナムは南シナ海の領有権を巡って中国と対立する立場にあり、今度はベトナムの一部消費者がH&Mの対応に不満を募らせたのが不買呼び掛けの理由だという。

H&Mは昨年、新疆ウイグル自治区でウイグル族に対する強制労働や強制避妊手術などが行われているとされる欧米諸国などの主張に同調し、新疆産の綿花を調達しないとする声明を発表。中国国営メディアは3月、欧州連合(EU)の対中制裁発動を受けて同社を名指しで非難し、中国のネット利用者が同社への不買運動を呼び掛ける事態となった。インターネット通販大手のサイトではH&Mの商品が検索できなくなったという。

H&Mは2017年にベトナムに進出した。同社ホームページによると、ハノイ市やホーチミン市、中部ダナン市などに計12店舗展開している。

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