【フィリピン】政府、タイ製品への関税引き上げ方針堅持［経済］（2021/03/31）

フィリピン貿易産業省のロドルフォ次官は29日、同国産たばこを巡るタイとの通商紛争で、世界貿易機関（ＷＴＯ）の紛争解決機関での協議が不調に終わった場合、即時にタイ製品への関税を引き上げる方針を示した。マニラスタンダードが伝えた。

フィリピンは2008年、タイがフィリピン産たばこに対して不当に高い関税を課しているのはＷＴＯ協定に違反するとして提訴した。ＷＴＯはフィリピンの主張を認めて11年に是正勧告を出したが、タイ側が応じず、ＷＴＯの紛争解決機関での協議も進んでいない。

ＷＴＯは現在、タイに是正勧告に従う猶予を与えるため、紛争解決に向けた協議の延長の可否を検討している。ロドルフォ次官によると、政府はＷＴＯのルールに従って報復措置を控えているが、決着がつかないまま協議の期限を迎えた場合は発動に踏み切る方針だ。

フィリピン関税委員会は今年１月、タイへの報復措置として、自動車など37品目の関税免除を暫定的に停止する方針を明らかにしている。