【シンガポール】高知産食材の料理配達、バーチャルツアーで［観光］（2021/02/09）

シンガポールの旅行会社は今月末、地場回転ずしチェーン大手と提携して高知県の観光地を紹介するバーチャルツアーを開催する。同ツアーに合わせて、県産食材を使った料理を顧客の自宅に配達して味わってもらうことで旅行気分を盛り上げ、将来の旅行需要を喚起する考え。高知県シンガポール事務所なども協力する。来月にはオンラインで県の観光・食品フェアも実施する予定だ。

シンガポールの旅行会社ロイヤル・ウイングス・トラベルと回転ずしチェーン大手サカエ・ホールディングスは今月27日、両社の提携事業として初となる「高知バーチャルツアー」を開催する。ロイヤル・ウイングスはこれまでにも、高知を紹介するバーチャルツアーを開催しているが、今回のように外食企業と本格提携するのは初となる。

高知県シンガポール事務所などの協力を受けてロイヤル・ウイングスがバーチャルツアーを企画し、高知にいる担当者とライブ中継でつないで観光地を紹介。サカエは、高知県産のユズをテーマにしたメニューを開発し、弁当箱に詰めてツアー参加者の自宅に配達する。

「高知バーチャルツアー」では、ユズを使った料理を含む弁当を参加者の自宅に配達する＝８日、シンガポール中央部（ＮＮＡ撮影）

参加料金は、食事代を含めて88Ｓドル（約7,000円）。定員は、宅配可能な件数などを考慮して最大50人とする。

ロイヤル・ウイングスのゼネラルマネジャー、ダイアナ・ホー氏はＮＮＡに対し、「日本を訪れたことがあるシンガポール人は多いが、高知を知っている人は少ない。ただユズはシンガポールでも認知度が高い。参加者には『ユズは知っているが高知はどんなところだろう』と興味を持ってもらえる。食品と旅行を組み合わせることで、将来の潜在的な訪日需要を喚起したい」と意気込みを語った。

今回のバーチャルツアーのように、旅行業界側が自ら訪日需要を創出していくことが重要だとも指摘。引き続き、「旅行先の食事を味わってもらうなど４Ｄ（体験型）のツアーを作っていきたい」と付け加えた。

高知バーチャルツアーを継続し、将来的には個人だけでなく法人顧客向けにも提供する考えを表明。オフィスでバーチャルツアーと食事を楽しんでもらうなど、顧客の需要に柔軟に対応する意向を明らかにした。

ロイヤル・ウイングスなどはこのほか、３月21日にオンラインで「高知トラベル＆フード・フェア」を開催する。2019年、20年に商業施設で高知県産食品の販売と観光情報案内を行うフェアを開いていたが、今年はコロナ禍のため、初めてオンラインに移行する。

観光地を紹介するとともに、県産食品・食材を販売。高知県シンガポール事務所やサカエなどが協力・支援する。