【ベトナム】越、東南アの最有望国を維持=JBIC調査[製造](2021/01/18)

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国際協力銀行(JBIC)が15日に発表した2020年度版の「わが国製造業企業の海外事業展開に関する調査報告」で、ベトナムは昨年に続き中期・長期ともに世界3位の有望国となった。東南アジア諸国連合(ASEAN)では最も有望視されている。同国は新型コロナウイルスの感染抑え込みに成功しており、事業展開を「強化・拡大」と答えた日系メーカーの割合も6割強を維持した。

最新の調査は海外法人3社以上(うち生産会社1社以上)を持つ日本企業954社を対象に実施した。2020年8月21日に調査票を各社に発送し、回収の締め切りは9月30日。11月12日までの回収票を有効回答とし、530社から回答を得た。

今後3年程度の中期的な有望国・地域(複数回答)を聞いた項目では、「中国」の得票率が前年調査から2.6ポイント上昇の47.2%となり、前年の2位から1位に浮上した。インドは2.0ポイント低下の45.8%で、2位となった。JBICは、コロナ禍への対応で、経済活動の再開が早かった中国と景気減速懸念が深刻化しているインドとの対比を指摘する企業が多かったと説明している。

ベトナムは0.4ポイント上昇の36.8%だった。トップ10は以下◇タイ=1.7ポイント低下の31.2%◇米国=4.5ポイント上昇の27.5%◇インドネシア=1.8ポイント上昇の27.0%◇フィリピン=1.5ポイント低下の10.4%◇マレーシア=0.5ポイント低下の9.6%◇メキシコ=2.6ポイント低下の9.0%◇ミャンマー=3.1ポイント低下の7.0%となった。

16~19年度の調査では、ASEANからはベトナム、タイ、インドネシアの3カ国がトップ5入りしていた。今回、ベトナムの得票率が上昇した一方、タイは下がり、差が拡大した。インドネシアが米国に抜かれて6位に転落したが、両国は拮抗(きっこう)しており、得票率はそれぞれ上昇した。

■越の持続性、長期では見方割れる

ベトナムは、米中貿易摩擦による中国からベトナムへの生産移管もあり、生産国としての注目が高まっている。ただ、JBICの調査では、今後10年程度の長期的な有望国・地域としては得票率が下がった。JBICは「期待の継続性に対する企業の評価が分かれる結果となった」と指摘している。

長期的な有望国・地域は、インドが0.6ポイント上昇の53.0%、中国が3.7ポイント上昇の43.9%、ベトナムが3.7ポイント低下の31.1%で、上位3カ国の順位に変化はなかった。

米国は6.8ポイント上昇の27.7%となり、前回の6位から4位に浮上。インドネシアは1.5ポイント低下の26.9%で5位、タイは1.6ポイント低下の23.1%で6位となった。

■アジア投資、中期では意欲減退

中期的な既存の海外事業の展開を聞いた項目では、アジアは他地域と比べて追加投資の意欲が高い傾向にあるものの、コロナ禍の影響を受けた。JBICは、ASEAN6カ国(ベトナム、フィリピン、タイ、インドネシア、マレーシア、シンガポール)とインドの中では、ベトナムが内外需の強さを印象付けたとしている。

各国の事業を「強化・拡大」「現状程度を維持」「縮小・撤退」の選択式で聞いたところ、「強化・拡大」と答えた企業の割合はベトナムが60.6%。以下◇インド=58.3%◇フィリピン=48.4%◇タイ=42.2%◇インドネシアとマレーシア=各40.0%◇シンガポール=31.6%――となった。「強化・拡大」の割合を前年と比べると、インドやタイなどで大きく落ち込んだが、ベトナムは6割強を維持した。

回答企業のうち、中国に生産の現地法人を置くのは385社と7割以上で、タイが253社、北米が215社、インドネシアが174社、インドが127社と続いた。ベトナムは122社で6番目に多かった。19年度には、ベトナムをはじめとするASEAN各国の生産拠点数が増え、電機・電子業界の企業では、ASEANの地域主管をタイからベトナムに移すことを検討している企業もあった。ベトナムの19年度の業績満足度評価は、売上高が中国とともに1位タイ、収益が中国に続く2位となった。

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