【台湾】世界先進、生産能力増強にM&A検討[IT](2021/01/18)
ファウンドリー(半導体の受託製造)世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)傘下で、8インチウエハーを専業とする世界先進積体電路(バンガード・インターナショナル・セミコンダクター)の方略董事長は15日、生産能力の増強を図るために合併・買収(M&A)先を探していると明らかにした。中央通信社などが伝えた。
方董事長は、「季節性要因による変化はあるものの、8インチウエハーの需要は存在する」として、「顧客の長期的な需要に応えるため、M&Aを通じて生産能力を増強する機会を探っている」と述べた。ただ、詳細についてはコメントを控えた。
世界先進の2020年の資本的支出(研究開発費や設備投資費用の総称)は36億台湾元(約133億4,000万円)。今年はさらに増やす方針だ。
方董事長は、「今年は世界各地で新型コロナウイルスワクチンの接種が始まり、世界経済の成長率が5%を超える可能性もある」と述べ、半導体業界の景気の先行きに楽観的な見方を示した。第5世代(5G)移動通信システムに対応したスマートフォンの普及や、自動車市場の回復、コロナ禍を背景としたリモートワークの増加を背景に、半導体需要が高まるとして、「ファウンドリーの供給が追いつかない」と指摘した。
世界先進の売上高に占める車載電子向けの割合は現在10%に届かないが、今後車載電子向けが伸びを示すとみている。