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【タイ】NEDOと日立、送電ロス抑制の実証開始[公益](2021/01/13)

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は12日、タイにおける送電系統の送電ロスの抑制に向けて、電圧・無効電力オンライン最適制御システム(OPENVQ)の実証事業を開始したと発表した。OPENVQによる送電ロス抑制の実証は世界初。

NEDOは、タイのエネルギー省と電力系統運用の低炭素化・高度化を目的とした実証事業を行う協力合意書を昨年12月に取り交わし、NEDOの委託先である日立製作所が同月、タイ発電公社(EGAT)と協力し実証を開始した。実証期間は2020~22年度。予算規模は非公表だが、上限は10億円。

実証事業では、EGATが東北部に所有する送電系統を対象にOPENVQを導入。送電系統の高度化・効率化によって、発電所の化石燃料の消費を抑え、温室効果ガス排出量の削減を目指す。また、日本とタイの二国間クレジット制度(JCM)に基づき、二酸化炭素(CO2)排出削減の成果を分け合うことで、日タイ両国のCO2削減につなげる。今回の実証では、年間1~2万トン程度のCO2排出量の削減が見込まれている。

経済発展に伴い電力需要が増加しているタイでは、送電系統の送電ロスの抑制が課題となっている。また、環境負荷の低減に向け、水力および太陽光発電所などの新たな電源の新設が検討されており、複数手段による電力供給を実現するため、OPENVQにより送電系統の電圧を最適化することで、多額の投資が必要な送電設備の増強を行うことなく、送電容量の増加を図る狙いがある。

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