スタートアップの資金調達・ビジネスマッチングサイト

【マレーシア】2国間高速鉄道計画、合意至らず撤回[運輸](2021/01/04)

マレーシアとシンガポール両政府は1日、両国を結ぶ高速鉄道(HSR)計画を撤回すると発表した。2020年12月31日までと設定していた交渉期限内に、計画見直しの合意に至らなかった。

シンガポール運輸省は、マレーシア政府に対し、2国間協定に基づき、シンガポール政府がこれまで負担した同計画関連の費用を補償する必要があると指摘した。ただ、違約金の金額は明らかにはしていない。

HSRは総延長350キロメートルで、マレーシアの首都クアラルンプールとシンガポールを90分で結ぶ構想だった。同事業への入札には、日本や中国などの企業が関心を示していた。マレーシア政府は、新型コロナウイルス感染症による国内経済への打撃などを考慮して計画内容の変更を提案し、両国は協議を続けていた。

2日付スターによると、マレーシアのムスタパ・モハメド首相府相(経済担当)は、「新型コロナでマレーシア経済が甚大な打撃を被ったことが、HSR計画撤回の背景にある」と説明。マレーシア政府は18年末から、HSR計画の費用削減策を模索し、路線や駅の設計変更、官民連携(PPP)を含む柔軟な資金調達手段を提案してきたが、シンガポール政府と合意できなかったと話した。

HSR計画は、10年にマレーシアのナジブ首相(当時)が提唱し、シンガポール政府との間で16年12月に正式に合意した。しかし、18年に誕生したマハティ―ル前政権が財政赤字の圧縮を理由に計画延期を申し入れ、20年5月末までの繰り延べに合意。その際、マレーシアはシンガポールに違約金1,500万Sドル(約11億7,200万円)を支払った。

その後、20年3月に発足したムヒディン政権は、同年5月にシンガポール政府と計画の凍結期間を7カ月間延長することで合意していた。

関連記事

公式Facebookページ

公式Xアカウント