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【中国】外資奨励リスト20年版発表、産業補完を重視[経済](2020/12/29)

中国国家発展改革委員会(発改委)と商務省は28日、外資の力を借りて発展を促したい産業分野のリスト「外資投資奨励産業リスト」の2020年版を発表した。リストに掲載された投資分野は合計1,235項目で、19年版に比べ127項目増加。産業サプライチェーン(調達・供給網)の補完を重視し、集積回路(IC)テスト設備や自動運転に関するハードウエアといった分野を修正、追加した。

新リストは21年1月27日から適用する。同時に現行の19年版は廃止する。

「外資投資奨励産業リスト」のうち、全国範囲でのリストとなる「全国投資奨励産業リスト」は480項目で、19年版から65項目を追加し、51項目を修正した。商務省によると、原材料関連ではフッ化水素や特殊ガラス繊維、偏光板膜、高性能繊維などを追加または内容を修正した。部品関連では高圧真空部品、特殊ベアリング、特殊ガラスなどを追加・修正。末端製品ではICテスト設備、条件付き自動運転レベル(L3~L5)のハードウエア、レーザー投影設備、超ハイビジョンテレビ、呼吸器、心肺補助システム(ECMO)などを追加・修正している。

20年版リストでは外資による生産サービス事業への投資も奨励。第5世代(5G)移動通信システムやブロックチェーンの研究開発(R&D)、汚水処理施設の設計などの項目を追加、修正した。ほか越境電子商取引(越境EC)やオンラインでの教育、医療、オフィスサービスも追加、修正している。

東部沿岸部などに比べ産業発展が遅れる東北や内陸部への外資による投資を奨励する「中西部地区外資投資優勢産業リスト」は755項目で、19年版から62項目追加、37項目が修正された。

黒竜江省や雲南省を対象とした事業では、農産品加工や観光開発が追加された。河南省や陝西省、広西チワン族自治区では医療機器や防疫対策用品が、湖北省や四川省、重慶市では半導体材料などが追加されている。「自由貿易港」となる海南省では貿易、航空、金融、観光などの分野が追加された。

リストの対象となっている分野に投資する外資企業は◇総投資額の範囲内で輸入する自社向け設備の関税を免除する◇西部地区の奨励類産業に投資する場合、15%に低減した企業所得税率を適用する◇工業分野への投資の際、優先的に用地を供給する。また用地の貸出価格は工業用地の全国標準価格から最大3割引とする――といった優遇政策を受けることができる。

「外資投資奨励産業リスト」の詳細は商務省のウェブサイト<http://wzs.mofcom.gov.cn/article/n/202012/20201203026619.shtml>で確認できる。

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