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【ベトナム】JICA北岡理事長、フック首相と会談[経済](2020/12/14)

JICAの北岡理事長(左)とベトナムのフック首相が会談し、海上保安などを話し合った=11日、ハノイ(JICA提供)

JICAの北岡理事長(左)とベトナムのフック首相が会談し、海上保安などを話し合った=11日、ハノイ(JICA提供)

国際協力機構(JICA)の北岡伸一理事長は11日、ベトナムの首都ハノイで、同国のグエン・スアン・フック首相と会談した。新型コロナウイルス感染症の流行後、初の海外出張先として同国を訪れた。会談では、海上保安の重要性への認識を共有し、北岡氏は保健・医療分野などへの協力をより深めたい意向を伝えた。

日本政府は「自由で開かれたインド太平洋」を提唱し、実現のための柱の一部で「航行の自由」をうたっている。北岡氏は、船舶の自由な航行のための海上保安協力を訴え、フック氏の強い賛同を得たという。

JICAは今年7月、ベトナムの海上保安活動の強化事業に向け、約366億円を限度とする円借款契約を交わしていた。同国政府との円借款契約は3年ぶり。海上保安分野では、2014~15年には無償資金協力として中古船舶や関連設備を供与していた。

北岡氏は、同日の記者会見で、「(海上保安では)フィリピンの案件が最も進んでおり、インドネシアやマレーシアにも協力している」と話した。ベトナムは各分野の案件をまとめるのに時間がかかる傾向にある。

■日本式の病院建設に意欲

会談では、ベトナムの保健医療システムや、東南アジア諸国連合(ASEAN)各国との連携強化を含む人材育成などへの協力も深化させていく考えを伝えた。ベトナムの保健医療分野ではこれまで、ホーチミン市のチョーライ病院や首都ハノイのバックマイ病院、衛生疫学研究所(NIHE)といった国立の医療機関の発展に協力してきた。コロナ禍により保健医療の重要性が再認識される中、各国で新たに日本式の病院を建設していくことを目指す。

5年前には、チョーライ病院の第2病院として「チョーライ日越友好病院」を整備するため、約286億円の円借款契約を締結していた。政府開発援助(ODA)のうち、ボランティア活動を担う青年海外協力隊では、同国の病院などで活躍する隊員もいる。新型コロナの流行で世界の隊員を日本に一時帰国させていたが、先月25日には復帰の第1弾としてベトナムに4人が再入国していた。4人は14日間の隔離期間が終了し、活動を再開させている。

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