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【マレーシア】ジェトロ、日本食材のオンライン商談会[サービス](2020/12/02)

日本貿易振興機構(ジェトロ)クアラルンプール(KL)事務所はこのほど、マレーシアの日本食レストランと日本食材を扱うマレーシアの食品商社を結び付けるオンライン商談会を開催した。調達先の開拓と卸し先の拡充を狙う双方の取り組みを支援する。オンラインの利点を生かし、マラッカ州やサバ州など首都圏以外からも参加があった。

先月25~26日に開催したオンライン商談会には、マレーシアの日本食レストラン14社、マレーシアで日本食材を扱う商社3社(日系2社、地場1社)が参加した。日本食レストラン1社につき1件の商談に臨む形で、2日間の商談数は14件だった。

ジェトロKL事務所の山田隆允氏は1日、NNAに対し、「日本食レストランの専門化が進み、参加企業は和食を全般的に提供する総合レストランだけでなく、カレーやラーメン、とんかつ、丼物など多様なジャンルにわたった」と話した。参加企業は今回の顔合わせを経て、今後、詳細を詰めたり、見積もりを提示したりといったステップに移る予定という。

マレーシアで日本のスイーツや製菓材料を取り扱う、ふぁん・じゃぱん(東京都千代田区)の五木田貴浩社長は、「和のデザートを中心に引き合いがあった」と話す。同社は6社と商談し、バイヤー側からは大福やさくらもち、ようかん、アイスクリーム(あずき、バニラ、黒ゴマ、抹茶、ほうじ茶)といったスイーツのほか、ハラル(イスラム教の戒律で許されたもの)食材として抹茶パウダーやだしなどに関心が集まった。

ふぁん・じゃぱんは、今年1月にスランゴール州プタリンジャヤにスイーツの加工工場を設置。日本人のパティシエ(菓子職人)が日本から輸入した原材料も使ってスイーツを作っている。五木田氏は「鮮度の高いデザートをマレーシアで提供できるのが強み」であるほか、日本食レストランが増える中、日本食材で差別化を図ろうとする動きも追い風になっているとみている。

■グラブでの日本食プロモで宅配増

ジェトロKL事務所は商談会に先立ち、8~10月に東南アジアの配車サービス大手グラブの宅配部門グラブフードと連携し、日本食のプロモーション事業を展開した。新型コロナウイルス感染症対策の活動制限令の影響で客足が落ちたマレーシアの日本食レストランを支援し、日本食の普及や日本産食材の輸出拡大につなげる狙いで実施した。

グラブフードのアプリに、各月約2週間にわたって日本食レストランの告知バナーを掲載。消費者を、プロモーションに参加する日本食レストラン34社、104店舗への発注に誘導した。

ジェトロKL事務所によると、参加店舗の宅配事業は、プロモーション最終月の10月の受注数が、プロモーション前の7月比で約2.4倍に拡大した。一方、参加店舗のプロモーション期間中の日本食材の平均仕入れ額は、新型コロナのパンデミック(世界的大流行)前の2019年11月に比べても約10%増加した。

山田氏は「コロナ禍によるニューノーマル(新常態)で、マレーシアで電子商取引(EC)や宅配を通じた食品購入の需要は引き続き高まっている」と話し、条件付き活動制限令が長期化するに伴って事業環境が厳しい状況にある外食、小売業を支援していく考えを示した。

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