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【香港】12月の飲食業売上高は半減予測、蘭桂坊幹部[サービス](2020/12/08)

香港島・中環(セントラル)に位置する香港屈指の飲食街、蘭桂坊(ランカイフォン)の運営会社、蘭桂坊集団(ランカイフォングループ)のジョナサン・ゼマン最高経営責任者(CEO)はこのほど、NNAの書面取材に応じ、香港政府が飲食店などの営業規制を再強化したことで、香港飲食業界の12月の売り上げは少なくとも50%の大幅減になるとの見方を示した。

ゼマン氏はまず、感染抑止に向けた政府の取り組みに理解と支持を表明した。その上で、再び飲食店の営業規制が強化され、バーやナイトクラブが閉店となったことについて、「非常に厳しく、不公平だと感じている」と主張。今回の感染拡大はダンス施設のクラスター(感染者集団)が発端だったと念を押した。今回の規制強化の前に政府による業界への意見聴取はなかったといい、「規制を強化するのであれば、補助金を支給すべきだ」と不満をのぞかせた。

バー業界では3月下旬、大規模なクラスターが発生し、政府はバーやナイトクラブの閉鎖に踏み切った。ゼマン氏によると、業界ではそれを機に顧客や従業員の安全対策を見直し、政府の規定のほか、独自のガイドラインを取り決め、感染防止策を徹底している。全従業員を対象とした定期検査のほか、顧客情報の収集や広報活動にも取り組んでいる。10月末のハロウィーンでも感染者は確認されなかったという。

ランカイフォンに出店する業者などでつくる非営利経済団体、蘭桂坊協会が先に実施した調査によると、11月の政府の賃金補助制度終了を控え、「年末まで持ちこたえられない」との回答が30%に達した。その後営業規制が再強化されたため、「状況はもっと深刻になりそうだ」(ゼマン氏)という。

同業界への逆風は、昨年の社会混乱以降、1年以上続いている。政府の賃金補助制度が今年11月末で終了した上、バーなどへの規制がさらに強まれば、廃業が急増するとの警戒感が強まっている。ゼマン氏は、「このまま政府から何の支援もなければ、大手でも雇用維持は難しく、まして小規模店舗では生き残りが困難になる」と述べ、安全確保を前提にバーやクラブの営業再開を容認するよう求めた。

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