【台湾】台北で酒類展示会開催、日本の地酒をPR[食品](2020/12/01)
日本の対台湾窓口機関、日本台湾交流協会台北事務所は11月30日、台北市内のホテルで日本酒など日本の地酒を台湾の業者に売り込む試飲展示会「和酒節」を開催した。開催は今回が初めて。輸入業者10社と日本の地方自治体(茨城県笠間市、静岡県、沖縄県)が出展し、延べ114銘柄を展示した。
新型コロナウイルス感染症の流行が長期化する中、酒造メーカーの訪台が困難なため、自治体以外では輸入業者の出展に限られた。ブースには日本酒、焼酎、泡盛、リキュールが並び、会場では日本酒の利き酒や日本酒・焼酎などを使ったカクテルの紹介に関するセミナーも開いた。
全国農業協同組合連合会(JA全農)の台湾事務所「台湾全農国際」は、輸出入業務を担うJA全農インターナショナル(東京都千代田区)、小澤酒造(東京都青梅市)と日本酒類販売(東京都中央区)が共同開発した輸出専用日本酒ブランド「TOKYO Z1(ゼットワン)」を売り込んだ。
昨年日本で開かれたラグビー・ワールドカップと今年開催予定だった東京五輪を商機とみて開発した。外国人にも飲みやすい味にしたという。台湾全農国際の仮屋園康人董事長によると、昨年は欧州、今年はシンガポール、香港などアジア向けにそれぞれ輸出を開始。台湾では今年10月に発売した。
仮屋園董事長は、「台湾の人にTOKYOゼットワンを慣れ親しんでもらいたい」と意気込んだ。
展示会場を訪れた飲食店店長の台湾人男性は、「秋田県や青森県の日本酒が好きだが、京都府の地酒も良かった」と述べた。日本人バイヤーは「台湾で日本酒の知名度は上がっていると思う」とコメントした。
日本台湾交流協会台北事務所の相馬巳貴子・経済部主任は、「新型コロナウイルスの影響が抑え込まれている中、台湾で抱える在庫を売り出して新たな注文を獲得し、流通を太くしていきたい」と述べた。
台湾では昨年、清酒を含む穀物酒の輸入関税が従来の40%から20%に半減したことも台湾での拡販の追い風になるとみている。