【ミャンマー】新型コロナ感染、8万人超え[社会](2020/11/25)

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ミャンマーでの新型コロナウイルス感染者が23日夜までに、累計で8万人を超えた。今月8日の総選挙後、新たな感染者の確認が増えている。政府は従来から敷く外出自粛措置の徹底を促す一方、経済活動を持続するため、規制の強化には踏み切らないもようだ。企業の出勤停止措置が先月解かれた最大都市ヤンゴンでは、交通量や人波が次第に増している。

徐々に外出する人や事業を再開する会社が増え、混み合うヤンゴン中心部のダウンタウン=24日(NNA)

徐々に外出する人や事業を再開する会社が増え、混み合うヤンゴン中心部のダウンタウン=24日(NNA)

保健・スポーツ省のデータによると、23日午後8時までの24時間で確認された新型コロナウイルスの新たな感染者は1,259人で、累計感染者は8万505人に達した。7万人を超えた今月16日から約1週間で、8万人を超えた。1カ月前の累計感染者数と比べると約2倍だ。

国内では1日当たりの新型コロナ感染者が8月末から急増し、10月半ばに過去最高の2,158人に達した。政府は、銀行や食品関連など生活に必需と認められる特定業種を除く民間企業に、従業員の出勤禁止を通達。国内航空便は全て運休となり、州・管区をまたぐ移動にはウイルス検査や隔離も義務付けられている。

これらにより、新たに確認される感染者は一時的にやや減少に向かったが、民間企業の出勤停止措置を解除したことや、総選挙後に与党支持者が大規模な集会を各地で開いたことで、再び増加に転じた。

政府は総選挙後に行われた集会により、11月末ごろまで新たな感染者が増えるとの予測を公表。規制が再び厳格化される可能性も指摘されたが、現時点では「これまでの予防策に沿う国民の協力」を呼び掛ける状況にとどまる。

■緩和の必要性示唆=国家顧問

アウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相は23日、テレビなどを通じて国民向けに行った演説で、感染者数が上昇した現在の局面に注意を促した上で、「ある程度、感染が抑えられた時点で規制を緩和したい」と言及。国民の緊張を和らげ、経済活動を活性化しなければならないと説明し、特にサプライチェーン(調達・供給網)に影響が出る輸送部門などでの規制緩和の必要性を示唆した。

国家顧問府省は先立つ18日に通達を出し、スー・チー氏をトップとする政府のコロナ対策委員会が、11月21日~12月5日までを対象にした新たな新型コロナウイルス対応策を話し合うと公表していた。24日までに新たな厳格化措置は発表されていないほか、スー・チー氏の発言にも、新たなロックダウン(都市封鎖)や事業規制を強化する表現は含まれず、政府は緩和の方向を探っているとみられる。対策委は外出自粛措置の対象としていない地域で、感染防止策を順守するレストランの営業やパゴダ(仏塔)への巡礼者の訪問を限定的に認めることなども検討すると説明している。

経済活動への制約が厳格化されない一方、感染者が大幅に減少しているわけでもないため、国内に進出する日系企業などは事業活動に難しい判断を迫られている。ミャンマーに進出する金融関係大手の現地法人では、これまで感染リスク回避のために2カ所に分けていた本社機能を先週から一カ所に戻した。従業員をグループに分けた交代勤務は続けている。幹部は「感染リスクを完全に取り去ることはできないが、複雑なオペレーションを行うためには通常体制にできる限り戻す必要がある」と話す。別のサービス現地法人ではミャンマー人材をほぼ自宅作業とし、決裁を行う日本人や幹部だけが交代で出勤する。

ミャンマーは医療インフラが脆弱(ぜいじゃく)で、他国と比べた場合のウイルス検査の体制不備が指摘されるが、医療関係者によると、現在は1日当たりで最大2万件程度の検査を実施できる体制が整った。11月に入ってからの検査数は1日当たり平均で1万5,790件だ。

23日夜時点の死者は、前日から26人増えて1,765人。重症化した際に対応できる集中治療室(ICU)用のベッド数が足りないことに加え、政府は感染者の受診が遅いことが、感染者数に占める死者の割合が多い背景にあると指摘している。治癒者は5万9,888人で、累計感染者に占める割合は約74%。無症状や軽症者の入院日数を減らし、施設を効率的に運用する方向に舵を切った。ヤンゴンと第2の都市マンダレーでは民間病院でのコロナ患者の治療開始を決め、本格的な開始を急いでいる。

最も感染者が多いヤンゴンの地域別では、北オッカラパ(4,166人)、ミンガラドン(3,986人)、ラインタヤ(3,669人)、インセイン(3,252人)、ティンガンジュン(3,197人)の5郡区で特に累計感染者が多く、3,000人を超えている。

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