スタートアップの資金調達・ビジネスマッチングサイト

【香港】20年GDP6.1%減と予測、悲観弱まる[経済](2020/11/16)

香港政府は13日、2020年の実質域内総生産(GDP)成長率の予測値を前年比マイナス6.1%に設定したと発表した。8月に発表した予測値(前年比マイナス6.0~8.0%)と比べて悲観的な見方を弱めた形だ。域内の新型コロナウイルスの感染状況が急激に悪化しない限り、香港経済は第4四半期(10~12月)も改善に向かうとみている。

政府によると、1~9月のGDP成長率は前年同期比マイナス7.2%。これに政府が実施した新型コロナに絡む経済対策などによる効果を加味して予測値を修正したと説明した。

政府は現在の消費、ビジネス環境について「以前ほど悲観する状況にはない」と指摘。域内の新型コロナ感染を抑え込めれば、域内の経済活動は第4四半期に改善すると予測した。ただ、7~9月の失業率(暫定値、季節調整済み)が6.4%まで上昇していることから「個人消費が制約される状況は避けられない」との見解を示した。

外部環境については、中国本土経済がさらに力強く成長すると予測。その一方、先進国で新規感染者数が急増し、経済回復の足を引っ張る可能性があると指摘した。

統計をさかのぼれる1962年以降で経済成長のマイナス幅が最大だったのは、98年のマイナス5.9%。

政府の陳茂波(ポール・チャン)財政長官は今年2月下旬、通年の実質成長率の予測値を前年比プラス0.5~マイナス1.5%に設定したと表明。4月末には、マイナス4.0~7.0%に下方修正していた。

■3QのGDP改定値は3.5%減

政府が13日発表した第3四半期(7~9月)の実質成長率の改定値は前年同期比マイナス3.5%で、10月末に発表した速報値からマイナス幅は0.1ポイント拡大した。景気後退は5期連続となったが、前期(マイナス9.0%)から大きく改善した。

主要経済指標のうち、モノの輸出は3.9%増と、前期の2.2%減からプラス転換した。主要市場で需要が改善し、9月の輸出が大幅に増加したことが支えになった。

個人消費は8.2%減だった。域内の新型コロナの感染状況が第3四半期の後半に落ち着いたことで、消費マインドが改善した。サービス輸出は34.6%減。減少幅は前期(45.6%減)から11.0ポイント縮小した。

関連記事

公式Facebookページ

公式Xアカウント