【シンガポール】生保シングライフ、英アビバ現法と合併へ[金融](2020/09/14)
住友生命保険が出資するシンガポールの新興生命保険会社シングライフ(旧シンガポール・ライフ)は11日、英保険大手アビバの現地法人、アビバ・シンガポールとの合併を発表した。合併後の企業価値は32億Sドル(約2,480億円)となる。規制当局の承認を待っている段階で、来年1月までに手続きを完了させたい考えだ。
合弁会社の名称はアビバ・シングライフ。会長には、シングライフ・グループの現会長、レイ・ファーガソン氏、副会長には同グループのウォルター・デオウデ最高経営責任者(CEO)、シンガポール保険事業のCEOには、アビバ・シンガポールのニシット・マジムダールCEOがそれぞれ就任する。
シングライフが持つオンライン経由での保険販売のノウハウと、アビバが持つ150万人の顧客基盤と投資顧問業務の実績を統合。幅広い保険商品と投資顧問サービスを提供していく方針だ。
新会社の株式のうちアビバが25%、住友生命が20%それぞれ保有する。残る55%の内訳は、米保険大手アフラックのベンチャー・キャピタルであるアフラック・ベンチャーズ、英資産運用大手アバディーン・アセット・マネジメントなどが20%、米投資会社TPGが35%。今回の合併に伴う取引額は、シンガポールの保険業界では最大規模となる。
シングライフは2017年に営業を開始した新興の生命保険会社。クラウド化した基幹サーバーや自動対話システム「チャットボット」などを活用し、迅速な保険加入手続きと、安価な保険商品の提供を強みとしている。
住友生命は、昨年7月にシングライフに9,000万米ドル(約96億円)を出資し、発行済み株式の約25%を取得したと発表。収益基盤を拡充するほか、シングライフが強みとするインシュアテック(ITを活用した保険サービス)のノウハウを日本でも取り入れていきたい考えを示していた。