【シンガポール】シンガポール航空、グループで4300人削減へ[運輸](2020/09/11)
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シンガポール航空(SIA)は10日夕方、グループ全体で約4,300人の人員を削減すると発表した。全従業員の約2割に当たる。新型コロナウイルスの流行で航空需要がほぼ消滅する中、他国・地域では国内線を中心に需要が戻りつつあるが、国土が小さいシンガポールは国際線しか運航していないことが痛手となっている。
SIA本体と、傘下の短・中距離路線子会社シルクエアー、格安航空会社(LCC)スクートから国内外で、計4,300人の人員を減らす。これまでに実施した新規採用凍結、自然減、早期退職制度の活用で既に1,900人ほど削減・減少しており、今後解雇するのは2,400人程度となる。
SIAは声明で、今期(2021年3月期)の終わりごろでも、旅客輸送量は従来の5割未満にとどまるだろうと指摘。国際的な業界団体も、世界の航空需要が従来の水準まで回復するのは24年ごろになるとの見通しを示しているという。
同社は、「航空需要はまず各国・地域の国内線を中心に回復する。国際線しか運航していない当社は同業他社より脆弱(ぜいじゃく)だ」と説明した。生き残るために必要な措置だとの理解を求めた。
SIAグループは今年3月末時点で約2万1,300人を雇用していた。