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【ベトナム】ネットM&A「ビジット」、コロナ後初案件[サービス](2020/09/08)

グローバルM&Aプラットフォーム「BIZIT M&A」を運営するBIZIT(ビジット、東京都港区)は7日、同社のサービスを通じ、大阪府で調剤薬局事業を展開する企業がベトナムの小児科医療クリニックに出資したと発表した。コロナ禍の混乱で一時期停滞し、「緊急事態宣言」後では初の案件。企業の合併・買収(M&A)でもオンラインを活用する機運が高まっている。

買い手と売り手の社名や投資額などの詳細は非公表。買い手は日本国内で40年以上の業歴があるが、海外投資は初めて。人口減に伴う内需縮小が見込まれる中、これまで東南アジアの医療分野の情報収集を進めてきた。

売り手は、ベトナム人起業家が昨年に設立した、小児科医療クリニックを経営する企業。ベトナムの低・中所得層の医療サービスへのアクセス改善を目指している。

M&Aでは、売り手と買い手のミスマッチにより交渉や出資後の連携に失敗することもある。BIZITの広報担当者はNNAに対し、「オンラインでもアドバイザーが間に立ち、懸念点を一つずつ解消している」と説明。手続きを円滑化するインターネットの利点を活用しつつ、投資先候補の選定や通訳、スケジュール管理を含めた支援を実施していく。

ベトナムでは近年、欧米留学を経験したベトナム人による起業も増えているという。経済成長で中間層が増えることが見込まれ、新型コロナウイルス感染症の流行では7月末に「第2波」が襲ったが、収束してきている。「ベトナムは比較的早期にビジネス往来が可能になるという期待感もあり、情報収集をオンラインで行おうとするニーズが多い」(同広報担当者)状態だ。

案件の担当者によると、渡航できない中、投資候補先が信用できるかどうかを最も慎重に検討した。投資候補先の紹介は、信頼関係を築いてきたフィリピンのM&Aファームから受けており、一定の安心感があったという。

ビジットは、投資会社Tryfunds(トライファンズ、東京都港区)からのスピンアウトで昨年8月に設立。プラットフォームは、無料の案件検索などのサービスを提供しており、世界158カ国・約5,200社が利用している。

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