スタートアップの資金調達・ビジネスマッチングサイト

【ミャンマー】和平交渉の成果を強調、パンロン会議閉幕[政治](2020/08/24)

2年ぶりに開催された、ミャンマー政府と少数民族武装勢力が全土停戦を目指して話し合う「21世紀パンロン会議」が21日に閉幕した。与党・国民民主連盟(NLD)政権は国軍、停戦協定(NCA)を締結する10勢力と和平を前進させるための「連邦協定」署名を終えた。11月の総選挙を前に、一定の成果を国民に周知する機会とした格好だ。

会議は19~21日に開催された。21日の最終日は、連邦国家の根幹となる「連邦協定」の第3部として、民主的な国家を目指すための改革や、国軍に政治的な特権が与えられている現行憲法の改正など15項目で、少数民族10勢力、国軍と署名。さらに、総選挙後を見据えた2020年以降の段階的な和平プロセスやロードマップ(行程表)の推進についても合意した。

和平推進を最重要施策に掲げるアウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相は、NLD政権が発足した16年に初めて、自らが主導する「21世紀パンロン会議」を招集した。今回は第4回。当初は半年に1度開く計画だったが、紛争の発生や事前交渉の遅れなどに阻まれ、18年7月の第3回を最後に行われていなかった。

スー・チー氏は閉幕式のあいさつで、自らが率いる政権が発足して4年余り、和平問題に心血を注ぎ最善の結果を求めてきたと強調。第4回会合での署名内容の意義を説明し、「全ての人が民主的な連邦国家の実現を確信していることは明らかだ」と成果をアピールした。

第4回会合に参加した10勢力のうち、スー・チー政権下でNCAを締結したのは2勢力のみで、芳しい成果は上がっていない。新型コロナウイルスの感染防止策も施した上で、なんとか会議開催にこぎつけ、総選挙を前にスー・チー氏自らが和平への方針を国民に情報発信できた意味は大きい。

NCA署名勢力を増やすための道のりは、依然として険しい。第4回会合には、前回会議までオブザーバー参加していた未署名の北部勢力が招待に応じなかった。政府が、西部ラカイン州で国軍と衝突するアラカン軍(AA)を「テロリスト団体」に指定し、招待対象から除外したためだ。前回会議まで資金面で参加を後押しした中国政府も、今回は関与しなかった。

スー・チー氏は、「武力衝突は増えており、和平交渉に背を向ける勢力もある」と全土停戦の難しさを吐露。まずは非公式な協議を行い、一定の合意が得られた時点で正式な会合に進む計画だと、今後の対応策を説明した。

関連記事

公式Facebookページ

公式Xアカウント