【香港】香港の景気低迷は予想以上、財政長官［経済］（2020/08/18）

香港政府の陳茂波（ポール・チャン）財政長官は16日の公式ブログで、新型コロナウイルスの影響や米中対立激化による香港経済への下押し圧力は予想を超えた大きさだと指摘した。陳氏は各業界への支援強化策の検討に取り組んでいると強調する一方、財政状態が急速に悪化する事態は避けなければならないと理解を求めた。

陳氏によると、新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けている経済界や個人を支援するため、2020／21年度（20年４月～21年３月）予算などで計上した関連対策費は、域内総生産（ＧＤＰ）の１割に当たる合計2,800億HKドル（約３兆8,500億円）で、同年度の財政赤字は2,900億HKドル近くまで膨らむ見通し。財政準備金は３月末の１兆1,000億HKドルから約8,000億HKドルに縮小するとみられ、税収や官有地売却収入が落ち込むことによる財政への影響も無視できないとした。

陳氏は、賃金補助などの政府の経済対策には一定の効果があると評価する一方、今後の不確実な困難に対処するためにも財政の急速な悪化は避けなければならないと強調。各業界から高まる支援要請を念頭に、公的支出の適正を保つ必要があると訴えた。