【シンガポール】7月輸出、医薬・電子好調で2カ月連続増加[経済](2020/08/18)
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シンガポール企業庁が17日に発表した2020年7月の輸出額(NODX、石油と再輸出を除く)は、前年同月比6%増の147億8,470万Sドル(約1兆1,500億円)だった。医薬品や電子製品が伸びをけん引し、2カ月連続のプラス成長となった。企業庁は今月に入って通年予測を引き上げているほか、エコノミストの間でも上方修正する動きが出ている。
7月の輸出額を項目別でみると、電子製品は前年同月比3%増の32億4,870万Sドルとなり、引き続き好調だった。ディスクメディアとダイオード・トランジスタが2桁台のプラスを確保した。
非電子製品は7%増の115億3,600万Sドル。医薬品は16%増となり、2カ月連続で2桁台のプラスだった。石油化学は27%減と引き続き低迷したが、下落幅は前月からやや縮小した。
輸出先別では、米国が37億9,650万Sドルでシェア1位。伸び率も99%で最大だった。韓国向けは56%増、台湾向けは19%増で、それぞれ引き続き好調だった。日本向けは15%増だった。
一方、インドは3割減。タイは25%減で前月からマイナス幅が拡大した。
7月の輸出額は、前月比(季節調整済み)では1%増で、6月の1%減からプラスに転換した。
企業庁は今月11日、今年通年の輸出額の見通しを従来の前期比マイナス4~同1%から、プラス3~同5%に引き上げた。足元の輸出が好調であることに加えて、原油価格上昇などが背景にある。
OCBC銀行のエコノミスト、セリーナ・リン氏は「経済・社会活動を制限する『サーキットブレーカー』措置解除後のパフォーマンスが予想以上に良かったため、通年予測を3%増から4%増に上方修正した」と明らかにした。