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【ベトナム】アフターコロナ、3本柱の施策検討を=世銀[経済](2020/08/14)

世界銀行がベトナム政府に対し、コロナ禍からの回復に向けて◇移動制限の段階的解除◇公共投資の促進◇民間企業支援――の3施策を実行していくよう提言している。業種間の打撃の程度によって格差が広がっていることが最大の課題の一つとみており、解決に向けて政府の手腕が問われると指摘した。

国内総生産(GDP)の約1割を占める観光業の復興に向け、外国人旅行者の受け入れ再開への交渉を進めていくべきとみている。ベトナム政府は4月、ソーシャルディスタンス(社会的距離)を保たせる社会隔離措置を全国で実行した。現在は第2波対策で中部ダナン市などを実質的に封鎖しているが、比較的リスクの小さい地域は強く規制していない。

ベトナムは公共投資が遅れるケースが目立つが、今年の予算実行の割合を65%から75%に引き上げれば、GDP成長率を1.5パーセントポイント上昇させる効果があり、地方経済に40億米ドル(約4,270億円)注入することになるという。

民間企業支援では、救済対象の選別が重要と指摘する。社会隔離政策の影響をどれほど受けたかは地域、業界ごとに異なる。歳入の縮小で財政が逼迫(ひっぱく)する中、影響が軽微な企業や立て直しが難しい事業に資金を回すことは資金の無駄遣いになると主張した。

世銀は、ベトナムのGDP成長率が、今年は2.8%、来年は6.8%になると予測している。第1波の抑え込みで生まれた保健医療上のメリットは150億米ドル規模で、第2波の抑制にも成功すれば回復に向けた道筋が立つ。

コロナ後のニューノーマル(新常態)では、特に格差拡大に注視するべきという。リモートワーク(遠隔勤務)が可能なホワイトワーカーと仕事現場を失った人、回復が早い農業・建設とまだ閉店が目立つホテル・飲食など、国民間・企業間の影響の違いが経済的格差を広げることを警戒するべきと強調した。

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