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【シンガポール】三菱UFJ銀、新興企業向け融資で新会社[金融](2020/08/11)

三菱UFJ銀行は、イスラエル企業とシンガポールに合弁会社を設立する。人工知能(AI)技術を活用して将来の収益を予測しながら与信判断を実施。既存の金融機関から融資を受けるのが難しいアジアの新興企業向けにファイナンスサービスを提供する。

イスラエルのフィンテック(ITを活用した金融サービス)企業リクイディティーキャピタルと、シンガポールに折半出資の合弁会社マーズ・グロース・キャピタルを年内に設立する。資本金は最大600万米ドル(約6億3,500万円)だ。

新会社を無限責任組合員、三菱UFJ銀を有限責任組合員とする組合契約を締結して融資を提供するファンドを設立。今年中に事業を開始する予定だ。

三菱UFJ銀が持つアジアでのネットワークや金融事業の知見と、リクイディティーキャピタルが提供する最新与信判断モデルなどを掛け合わせ、既存の金融機関では提供が困難だった新興企業向けのファイナンスサービスを展開する。

リクイディティーキャピタルは、データ連携の仕組みである「API」を通じて取得した銀行口座、会計システム、顧客情報管理(CRM)などの情報を基に、AI技術を使って独自の与信判断を行っている。

リアルタイムで財務・会計データを確認したり、機械学習で将来の収益、キャッシュフローを予測したりして審査を実施している。成長過程にあるものの、金融機関からの資金調達が困難な新興企業向けのファイナンス事業に強みを持つ。

三菱UFJフィナンシャル・グループは、アジアの成長市場の取り込みやデジタルシフトへの対応を重点戦略に位置付けている。2019年には子会社の三菱UFJイノベーション・パートナーズを通じてリクイディティーキャピタルに出資。次世代金融サービスの提供を目指す双方の狙いを実現するため新会社を設立した。

アジアでは全ての人に金融サービスを提供する「金融包摂」の重要性が高まっている。「ウィズコロナ」「アフターコロナ」時代にデジタル技術を生かしたサービスの需要も拡大している。三菱UFJ銀は、フィンテック分野の新興企業の台頭が見込まれる中、新会社を通じて金融サービスの事業拡大を狙う。

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