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【台湾】立訊が鎧勝を買収か、iPhoneの受注増狙う[IT](2020/07/22)

21日付経済日報は消息筋の話として、中国の立訊精密工業(ラックスシェア・リミテッド)が、台湾のスマートフォンきょう体メーカー、鎧勝控股(ケーステック・ホールディングス)の買収に向けた交渉に入ったと伝えた。米アップルから「iPhone(アイフォーン)」の組み立ての受注を増やす狙いとされる。

鎧勝は、台湾EMS(電子機器の受託製造サービス)大手、和碩聯合科技(ペガトロン)の傘下企業。

立訊はこのほど、台湾EMS大手の緯創資通(ウィストロン)からiPhoneの一部組み立て事業を買収することを決めた。中国企業としては初めてiPhoneの組み立て事業に乗り出す。

立訊が鎧勝を買収し、スマホきょう体の自前供給体制を整えた場合、生産コストを引き下げることが可能。アップルからの受注増につながるとみられる。

立訊は既にアップルから、ワイヤレスイヤホン「AirPods(エアポッズ)」や腕時計型端末「アップルウオッチ」の生産を請け負っている。iPhoneの受注を増やせば、アップルの主な生産委託先となっている鴻海精密工業や和碩に対抗する存在になる。

iPhoneのきょう体は現在、鴻準精密工業(フォックスコンテック)、可成科技(キャッチャー・テクノロジー)、鎧勝の台湾3社が供給している。鴻準精密工業がミドル・ハイエンド機種を中心に8割近くのシェアを占め、鎧勝のシェアは1割以下とされる。

立訊は当初、可成の工場取得に向けて交渉を進めていたが、合意には至らず、ターゲットを鎧勝に変更したとみられている。

一連の報道について、立訊と鎧勝控股はともにコメントを控えた。

■中国企業による買収、あと4~5件

米中貿易摩擦の長期化に備え、中国企業は国内でのサプライチェーン構築を目指し、台湾企業の中国事業の買収を増やすとの観測が浮上している。

買収のターゲットは、半導体企業やアップルのサプライヤー企業で、既に複数の案件が交渉段階に入っているもよう。向こう3カ月内に、4~5件の買収計画が相次いで発表されるとの見方も出ている。

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