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【マレーシア】コロナ抑制国、日本は指定外[社会](2020/06/26)

マレーシア政府による、新型コロナウイルス感染症の抑制に成功した「グリーンゾーン国」の指定から日本は外れた。入国管理局は24日に発効した、駐在員の入国手続きについてのガイドラインで、シンガポール、ブルネイなど4カ国をグリーンゾーン国に指定し、条件を一部緩和。一方、国籍に関わらず、企業幹部など一部駐在員の入国では、24日から事前に入管の承認状を取得する必要はなくなった。

マレーシア入国管理局が24日に発効した駐在員入国のガイドラインによると、政府はシンガポール、ブルネイ、オーストラリア、ニュージーランドの4カ国をグリーンゾーン国に指定し、日本と韓国はリストから外れた。

保健省のノル・ヒシャム・アブドラ保健局長は19日の会見で、入管が今回ガイドラインで示した4カ国に日本、韓国を加えた6カ国をグリーンゾーン国に指定したと明らかにし、自由往来の再開に向けて交渉を開始する意向を示していた。

ノル局長は25日、NNAに対し、「(入管のガイドラインは24日発効となっているが)グリーンゾーン国との往来はまだ始まっていない」と述べた上で、「各国と段階的に交渉を進める中で、近隣国を優先した」と説明した。

入管は「保健省がグリーンゾーン国を随時見直す」としており、今後日本が指定される可能性はある。

入管の24日付ガイドラインでは、雇用パスのカテゴリー1(月額給与1万リンギ=約25万円=以上)、(特殊技能を持って就労している外国人向けの)レジデンス・パス(RPT)の保有者に関しては、同日から入国時に入管の承認状取得が免除された。

また、グリーンゾーンの4カ国(それぞれの国の国籍保有者)から入国する、雇用パス・カテゴリー1かRPTの保有者は、現地到着後の2週間の自主隔離も不要になった。

その他の雇用パス保有者などは、▽入管の承認状の取得▽入国3日前のPCR検査での陰性結果▽政府の新型コロナ対策アプリ「マイスジャテラ」をスマートフォンなどにインストールすること▽到着後2週間の自主隔離――が入国の条件となる。

■新型コロナ検査免除は不明瞭

駐在員入国の条件の一つであるPCR検査が、日本人駐在員に求められるのかどうかは不明瞭だ。

入管は、23日付の通達に「日本国籍者に限り、渡航前のPCR検査を免除する」と記載していたが、24日付の通達ではその部分を削除した。

保健省のノル局長は25日、「全ての入国者に対し、新型コロナ検査は免除していない」と強調。ただ、「渡航前ではなく、入国後に受検することも可能だ」と話した。

日本の厚生労働省によると、日本では発熱など新型コロナ感染が疑われる症状があり、医師が必要と判断した場合でない限り、基本的にPCR検査が受診できない状況にある。そのため、日本人駐在員にとってマレーシア入国前の新型コロナ検査がネックになっている。

日本貿易振興機構(ジェトロ)クアラルンプール(KL)事務所の小野沢麻衣所長は、「入国制限について多くの企業から問い合わせが寄せられている」と話す。ただ、マレーシア政府内の複数機関から異なる情報が発信されていることから、「当面は、様子を見ながら判断した方がよい」と助言した。

マレーシア日本人商工会議所(JACTIM)とジェトロKL事務所が実施した調査では、5月半ば時点で約400人の日本人駐在員や帯同家族が渡航待ちとなっている。

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