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【台湾】感染防止策の規制緩和、消費拡大に期待[経済](2020/06/08)

台湾政府が7日から新型コロナウイルス感染防止策の規制を緩和したことを受け、市場では消費の拡大に期待感が高まっている。台湾の中央大学台湾経済発展研究中心(台経中心)の呉大任執行長は、「向こう数カ月の間、消費と観光が目立って伸びる」との見方を示した。長期間の外出自粛に伴う反動的な需要が生まれる上、夏季休暇が重なることも好材料に上げた。

7日付中央通信社などが伝えた。各種の域内活動に掛けられていた規制が緩和されることで、感染への懸念が弱まり、外出する市民が増えるとみられている。政府が打ち出す防疫措置を施した旅行プランの提示や消費振興券(クーポン券)の発行も追い風。小売りや飲食などの業界は振興券の発行を商機と捉え、さまざまな販促活動を打ち出す見通しで、小売りを刺激する材料になるとの声も多い。

規制緩和の前日となる6日、域内各地の観光地やビーチは人であふれたもようだ。域内感染が2カ月近く出ていないことも市民の安心感を誘ったとみられる。

7日からは、一定の条件下で各公共交通機関でのマスクの取り外しや飲食が可能になったほか、観光地や文化イベント、夜市、レストラン、映画館、プロ野球観戦などでの人数制限も解除した。公共交通機関の駅などでの体温測定とマスク有無のチェックは継続するものの、車内に入った後は、ソーシャルディスタンス(人と人との距離)を確保している、または他人との間に仕切りがある状態で、マスクを外すことを認める。

■欧米が復調の鍵に

ただ呉執行長は、下半期(7~12月)の台湾経済が上向くかどうかは欧米経済の動向に左右されるとも付け加えた。

消費は当面、外出自粛などの反動による恩恵を受けるものの、最近域内の失業率が高まっているほか、無給休暇(従業員に給与を支払わずに強制取得させる休暇)も増えており、今後も労働市場が改善しなければ、消費を支える市民の所得に打撃を与えるとの見方。欧米での感染状況が改善に向かわなかった場合は、台湾の輸出が伸び悩み、労働市場に一層の圧力がかかると見通した。

■「第2波避けられず」

衛生福利部(衛生省)中央流行疫情指揮中心の陳時中指揮官は6日、「感染の第2波は必ずやってくる」と発言。規制を緩和した後も手洗いの徹底やマスクの着用を続けることが防疫の上で重要になると市民に呼び掛けた。

同中心は今秋に感染の第2波が他国・地域で起こるとみており、出入境の規制緩和は第2波の状況から判断すると説明した。

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