【カンボジア】早期の建設を要請、日系絡む水力発電所[公益](2020/06/03)
カンボジア鉱業・エネルギー省はこのほど、西部ポーサット州での水力発電所の建設許可の早期発給を建設省に要請した。同発電事業に関係する電力会社イーレックス(東京都中央区)の担当者が明らかにした。許可が出れば、事業を手掛けるSPHP(カンボジア)は2023年の完成を目指して工事に着手する。
水力発電所の建設地は同州ベルベン郡で、出力は8万キロワット(kW)。着工予定のダムの高さは100メートル、面積は85平方キロメートルで、貯水量は12億立方メートルになる。投資額は約2億3,000万米ドル(約250億円)の見通しだ。
SPHP(カンボジア)はこの計画について、12年に事業化調査の権利を取得し、19年4月には閣議承認も得ていた。現在は、現地で土地の整備など着工に向けた準備を進めている。発電所の完成後は、電力をカンボジア電力公社(EDC)に1キロワット時(kWh)当たり0.7米ドルで販売する。EDCとは既に売電契約を締結している。
イーレックスは、SPHP(カンボジア)の全株式を保有するSPHP(シンガポール)に34%を出資している。同社にはこのほか、カンボジアの発電事業会社アジア・エナジー・パワー、シンガポールの同業ISDNエナジーがそれぞれ33%を出資している。