【シンガポール】双日、医療スタートアップのテツユウに出資[医薬](2020/05/28)
双日は、遠隔医療システムを手掛けるシンガポールのスタートアップ、テツユウ・ヘルスケア・ホールディングス(THH)に出資した。医療事業の成長戦略の一環として新技術を取り込み、アジアを中心に同事業の領域を拡大するのが狙いだ。
THHの第三者割当増資を引き受けた。THHへの出資は初めて。出資額、出資比率は非公表だ。
THHは2015年の創業。「日本の在宅医療のケアマネジメント」と「人工知能(AI)を使った画像診断技術や情報通信技術(ICT)」を組み合わせた遠隔医療システムを提供している。
同システムを活用すると、医師・看護師が、患者とその家族、介護士らとビデオ通話を通じて、オンライン診療を実施できるほか、患者の日常の情報や医療記録をクラウド上で共有することが可能。皮膚症状の画像解析や治療プランの作成を、AIに自動で行わせることもできるという。
双日の広報担当者によると、THHはシンガポールの約20カ所の医療機関に遠隔医療システムを提供。東京大学などと実証実験も実施中で、日本では来年春ごろにも実用化できる見通しという。
THHへの出資で、双日として初めてプライマリーケア領域に進出したことになる。プライマリーケアとは「かかりつけ医」などに代表される臨床医師によって提供される医療の一環で、病気の予防、治療、リハビリテーションまで幅広く行う。総合性、継続性、受診のしやすさを特徴とした医療領域となる。
双日の広報担当者は「THHと共に、遠隔診療など世の中のニーズに応えていきたい」と意気込みを語った。