【シンガポール】日立、公営住宅向けエレベーター300台受注[電機](2020/05/20)
日立製作所と日立ビルシステムは19日、シンガポールで公営住宅(HDBフラット)向けのエレベーター300台を受注したと発表した。受注額は数十億円規模とみられる。日立グループとして同国での昇降機受注で過去最大となる。
昇降機販売・サービスを手掛ける現地の子会社、日立エレベーターアジアを通じて受注した。年内に納入する予定だ。
シンガポールでは、エレベーターとエスカレーターを合わせた昇降機の需要は毎年約2,000台で、日立は約15%のシェアを持つ。チャンギ国際空港や、同国で最も高いビルのグオコタワーなどに昇降機を納入した実績がある。
日立の広報担当者は「これまでは高級マンションやオフィスビル向けを中心に受注してきた。異なる市場である公営住宅向けを受注できたのは、耐久性が評価されたからではないか」と述べた。
シンガポールでは住民の8割以上が公営住宅に住んでおり、エレベーターは適切なメンテナスを行った場合で寿命が約25年だという。同担当者は「今後も公営住宅のエレベーターの新設や更新需要に積極的に対応していきたい」と意気込みを語った。
日立は2019年10月、シンガポールでエレベーターの稼働データをリアルタイムに収集し、その分析結果から故障を予防する遠隔監視サービスを始めている。今回の受注に同サービスの提供が含まれているかについては明らかにしていない。