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【インドネシア】4月の日系自動車販売9割減[車両](2020/05/15)

インドネシアの主要日系自動車メーカーの4月の新車販売台数(ディーラーへの出荷ベース)は、前年同月比9割以上の減少となる7,539台だったことが、NNAの聞き取りで明らかになった。各社とも新型コロナウイルスの感染拡大に伴う国内自動車市場の落ち込みにより、在庫調整のため出荷台数を大幅に減らした。インドネシア自動車製造業者協会(ガイキンド)は4月より5月の数字の悪化を懸念。年初の通年販売見通しを大きく下方修正した。

全メーカーとも前年同月比で8~9割以上の減少となった。乗用車5メーカーの卸売り台数ではトヨタが2,197台で最多だったが、3月の2万6,191台からは大きく減らした。ダイハツ、ホンダ、スズキとも1,000台強までそれぞれ台数を減らした。減少率が最大だったのは前年同月比でトヨタ、前月比でダイハツだった。

スズキのインドネシア四輪・二輪車販売会社スズキ・インドモービル・セールス(SIS)の担当者はNNAに対し「予想以上に厳しい数字になった」と話した。スズキの現地法人スズキ・インドモービル・モーター(SIM)は、国内全工場の生産停止期間を今月22日まで延長している。

乗用車各社の4月の卸売り台数は在庫調整による減少だったため、同月の小売り台数との間に大きな差が出た。トヨタの場合、卸売り台数2,197台に対し、小売り台数は8,486台だった。小売り台数は前年同月比62%減、前月比52%減だった。ダイハツも小売り台数は5,160台、スズキは2,700台となり、乖離(かいり)が目立った。

商用車も大幅に減少。在庫調整に加え、企業の車両調達の減退が影響した。主要日系3メーカーは、今年の市場見通しについて、新型コロナウイルスの感染拡大以外にも、その影響による中国からの資材供給の停滞、中国製建材や機材、エンジニアの不足によるインフラ・建設の低迷、コモディティー価格の下落などが重なって、非常に厳しいとの見方を示していた。

8メーカーの1~4月の販売台数は26%減の23万7,551台だった。

■5月にさらに悪化見通し=ガイキンド

今年はガイキンドのモーターショーが10月末に延期になるなど、業界にとって多難な1年になりそうだ(NNA撮影)

今年はガイキンドのモーターショーが10月末に延期になるなど、業界にとって多難な1年になりそうだ(NNA撮影)

ガイキンドの統計によると、1~4月の国内累計卸売り台数は前年同期比28%減の24万4,762台、累計小売り台数は28%減の24万3,634台だった。

ヨンキー副会長はNNAに対して「新型コロナ禍の中で数字についてコメントすることは難しい。4月よりも、むしろ大規模な社会的制限(PSBB)の影響が本格化する5月の数字がかなり悪化する見通しだ」と述べた。

同副会長は4月に、新型コロナウイルス感染症の流行の影響による需要減退に加え、4月末からのラマダン(イスラム教の断食月)とその後のレバラン(断食明け大祭)シーズンの市場鈍化によって、4、5月の新車販売は相当減少すると見込まれることから、今年通年の新車販売台数見通しを年初の約110万台から、前年比42%減となる約60万台に下方修正した。

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