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【インドネシア】10日から首都の活動制限厳格化、処罰も検討[社会](2020/04/09)

インドネシア・ジャカルタ特別州のアニス知事は7日夜、保健相が同日承認した「大規模な社会的制限(PSBB)」を10日に発動すると発表した。期間は23日までの2週間で延長も可能。ジャカルタでは既に3月下旬から休校や在宅勤務の奨励などを実施しているが、より厳格な制限を導入する。従わない市民には処罰も検討している。

ジャカルタ特別州のアニス知事は10日にPSBBを発動すると発表した=7日(同州政府提供)

ジャカルタ特別州のアニス知事は10日にPSBBを発動すると発表した=7日(同州政府提供)

PSBBは保健相の承認を得た州・県知事、市長が実施できる。新型コロナウイルス感染症に関するPSBBの指針は、保健相令『2020年第9号』で定められており、学校の休校や就業場所の休業、交通手段、活動に関する制限などについて分野ごとに概要を規定している。ジャカルタ州政府はこの指針に従って、10日までにより詳細な規定を策定する。

7日夜の発表によると、10日以降は5人以上の集会を禁止する。例外として、政府や警察、国軍、新型コロナウイルス対策に携わる非政府組織(NGO)などのほか、(1)保健分野(2)食料分野(3)水道、ガス、電気、ガソリンなどエネルギー分野(4)通信サービスやメディアなど通信分野(5)資本市場を含む金融・銀行分野(6)物流分野(7)伝統的な定着型屋台「ワルン」や雑貨店を含む必需品の小売り分野(8)州内の戦略的工業分野――の8分野の民間企業を挙げた。ただしマスクの着用や人同士の間隔を空けるなど感染防止対策を義務付ける。

アニス知事は、国軍や州警察と協力して巡回を強化すると説明。「もし5人以上の集会を見つけた場合は、厳格に対処する」と述べた。

交通手段については、公共交通機関の運行時間を午前6時~午後6時に制限。乗客数は定員の5割以下に限定する。都市高速鉄道(MRT)や公共バス「トランスジャカルタ」などは既に3月中旬からこの規定に沿った形で乗車人数を制限している。

配車アプリやタクシーなど乗用車を利用した旅客輸送サービスは、乗車人数を制限した上で営業を認める。1台当たりの具体的な乗車人数の上限やバイクタクシーの営業の可否については未定。ただしフードデリバリーなど、旅客輸送を伴わないサービスについては制限しない。

このほか州政府は既に、MRTやジャカルタ軽量軌道交通(LRT)など公共交通機関の乗客に、12日からマスクの着用を義務付けることを決定している。

教育分野については、集団活動を原則的に禁止し、引き続き在宅学習を実施するよう求める。

アニス知事は、人の活動が制限されることで収入面などで深刻な影響を受ける貧困層に対しては、中央政府と協力して手厚い支援を実施すると強調。「9日からスンバコ(生活必需品)を必要な人に届けられるようにする」と述べた。

■ジャカルタ周辺でも

地元各メディアによると、西ジャワ州のリドワン・カミル知事は8日、マアルフ・アミン副大統領とのウェブ会議で、ジャカルタに近接するボゴール市・県、ブカシ県、デポック市もジャカルタと同様のPSBBを実施すべきだと提案した。リドワン知事は、ジャカルタと周辺地域間は往来が多いため、ジャカルタだけを制限しても効果が少ないと指摘。「ジャカルタだけでなくジャボデタベック(ジャカルタ首都圏)一帯で統一した制限を掛けるべきだと保健省に進言したい」と述べた。

バンテン州のワヒディン・ハリム知事も8日、タンゲラン市・県と南タンゲラン市でジャカルタと同レベルのPSBBを実施する必要があるとの考えを示した。

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